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なぜ“空白期間”のある人は落とされやすいか 転職先が決まる前に辞めるとこんな弊害があった!

2012年11月19日 ダイヤモンド・オンライン

 よく転職希望の方からされる質問に、「転職先が決まる前に離職すると不利ですか?」というものがあります。ある・なしでいえば、「不利になることはあります」というのが私の意見です。

 離職している“空白期間”が1ヵ月くらいであれば、企業もあまり気にしないでしょう。しかし、3ヵ月を超えると、何らかの事情や理由があるのではないか?と考えて、人事担当者から「なぜ離職期間が長いのか」と質問をよく受けるようになります。会社によっては、そうした方を書類選考で落としてしまうところもあります。

●採用担当者は離職期間が長い人をどう見ている?“空白期間”が否定的にとられる理由とは

 もちろん経営者や人事によりますが、離職期間が長い候補の方に対して、このようなネガティブな反応があります。

 ①「次の会社も決まらずに辞めるなんてリスクヘッジができていないな」、②「他の会社が採用しなかった、どこにも受からなかった候補の方なのではないか」ということです。必ずしも全員がそういうわけではないでしょうが、そのような偏見を持つ方も多くいます。

 実際に私が知っている限りでは、毎日終電まで仕事を強いられ、1日中完全に行動を管理されている会社で働いているため、事実上、在職中は転職活動ができない方もいます。そのような会社があることは、人材エージェントであればわかりますが、経営者や人事はわからないことも少なくありません。人材エージェントとして、「なぜその方が会社を辞めたのか?」という本音をヒアリングしておくことも大事な役割の1つなのです。

 以上のことからも、空白期間は前提として作らないことが大切です。もし何らかの事情で空白期間が3ヵ月以上続いてしまっている場合は、正直にその理由を書いていただきたいと思います。

●空白期間の理由が明確で信頼できる仕事ぶりならば問題なし

 離職期間中に海外旅行にいってきた、リフレッシュをどうしてもしたかったという方もいます。私が知っている方でも1年間、海外1周をしてきたという方がおられました。その方は長期の空白期間がありましたが、職務経歴書の備考欄のなかで、なぜ海外に行っていたのか?その事実について記載していましたし、前職がハードワークで大変有名な会社でしたので、充電期間を作りたかった理由も納得感もあるものでした。

 また、そもそも大変評判の良い方で、リファレンス(転職者の前勤務先への職歴照会)をとっていただいてかまいませんというスタンスをとっていました。ですので、受験した会社側もその方については、リファレンスをとり、その上で面談が進んだという経緯があります。

 空白期間はできるだけ作らないことが大事ですが、このようにリファレンスをとられても大丈夫、問題のない信頼ある仕事をしている方は問題ありません。

 ついつい空白期間があると、なんとなく後ろめたい気持ちもあるのか、面接で暗い表情になっている方がいます。それはあらためる必要があります。また、空白期間においても仕事をしていないと、顔つきが悪い意味で変わってしまう方もいます。その場合は、知人の会社やベンチャーなど、どこでも、どんな仕事でも良いので、アルバイトでも無給でも手伝いをしたほうが良いでしょう。

 単に休んでいたという状態ですと、ビジネスの会話をする感覚さえ衰える方もいます。実践から遠ざかると、人間はびっくりするほど変わっていることもあります。

 空白期間があったとしても、転職活動をする際は仕事モードに切り替えて、面接に臨んでいくこともとても大事なことです。

●何度も転職を繰り返すジョブホッパーは不利って本当?

 先ほどの「転職先が決まる前に離職すると不利ですか?」に次いで、転職希望の方からよく聞かれるのが、「(何度も転職を繰り返す)ジョブホッパーは(転職で)不利になりますか?」という質問です。結論としては、不利になります。

 ただし、外資系企業やインターネット業界、特にエンジニアの方はその限りではありません。まず、日本以外の国において、終身雇用である企業をあまり聞いたことがありません。より良い条件があればそちらに転職していくことが常識。また需要が高いウェブエンジニアについては、あまりにも需要が高いため、転職回数が多い方を歓迎しているわけではありませんが、そこには目をつむって採用している企業も少なくないのです。

●たとえ不遇であっても苦しくても「1社3年」は頑張る努力をしよう!

 では、1社あたりどのくらい働けば良いのでしょうか?「石の上にも3年」という言葉があります。キャリアに正解はありませんし、人によっては「10年は働かないといけない」という方もいますが、「1社3年」というのが多くの経営者や人事の方の意見を聞く限り目安になるでしょう。

 ただ、3年といっても人によって感覚が違いますし、企業からの印象を悪くしないためには、最低でも1年以内に辞めることを続けないことが重要でしょう。もちろん、やむを得ない事情もありますから、必ずしも短い期間での転職が悪いとも言いきれません。ただ、短い転職が続くと、辛抱が足りないと思われるのは間違いありません。会社には、良いときも悪いときもあります。経営者としては、転職希望者の方にもう少し長期で働くことを考えてほしいと思っています。

 私が人材エージェントの仕事をしはじめたのが1999年なのですが、その頃と比べて体感的には、ビジネスや商品の寿命がどんどん短くなってきています。つまり、長くもたないのです。それに多少は関係しているのか、あまりにも業界の流れが速くなり、転職しなくても会社が合併されたり、突然、外資系企業に買収されたりということが一般的になりました。これだけ流動性の高い大変な時代ですので、みなさんも「会社」の変化は当たり前のことと認識されていると思います。ですから、変化を恐れず、チャンスがあれば飛び込むことも大事です。

 ジョブホッパーにだけはならないでほしいと思うものの、人によってはそれでうまくいっている人もいます。本当にキャリアには正解がないものだと思います。ただ、かなり自信がある方を除けば、やはり1社3年程度は頑張ってみることは、決して悪いことではありません。たとえ不遇であっても、苦しい時期を乗り越えてこそ、次の道が開けることもあるのです。