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生物大量絶滅、巨大隕石の衝突後の酸性雨が原因 千葉工大など英科学誌の電子版に発表

2014.3.10

地球に小惑星が衝突する想像図(NASA提供)

 約6550万年前、恐竜など生物が大量絶滅したのは、巨大隕石の衝突で発生した酸性雨による海洋の酸性化が原因と指摘した研究結果を、千葉工業大などのチームが9日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。隕石衝突を模した実験で突き止めた。

 メキシコ・ユカタン半島に約6550万年前に直径10キロの隕石が衝突し、環境が変動して地球上の全生物種の半分以上が絶滅したとされる。隕石衝突で放出されたちりが日射を遮り寒冷化が起きたとする説などが提唱されているが、どれも海の絶滅をうまく説明できなかった。

 チームは、ユカタン半島のクレーターと同じ成分の硫酸塩岩に、レーザー銃で秒速15〜20キロに加速した金属を打ち込み、隕石の衝突を再現。放出ガスを分析した結果、短期間に強い酸性の雨を降らせる三酸化硫黄が多く発生したことを確認。さらに、数日間非常に強い酸性雨が降って深刻な海洋の酸性化をもたらし、多くのプランクトンが持つ炭酸塩の殻が溶ける状態が数年間続くことが判明した。

 研究をまとめた千葉工業大の大野宗祐上席研究員は「プランクトンの絶滅で食物連鎖の土台が崩れ、恐竜など多くの生物の絶滅につながったと考えられる。衝突地点が違う場所であれば起こらなかった可能性が高い」と話している。