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組織の閉塞感を打ち破る方法/川口 雅裕

2012年8月7日(火)

組織の活性度が低下した、人が育ってこないという結果は、ここ十数年、多くの企業で進められた規制・管理強化に関する諸施策の副作用・反作用である。

何かをやる際には、副作用や反作用があることを想定しておかねばならない。薬を飲んだら、主要な症状は緩和されるがその他の部分に副作用が出ることがあるし、ボールを押せば押し返されるように、常に反作用がある。医療や物理に限った話ではなく、組織運営や人材マネジメントについても同じことで、何かの策を講じる際には良いことばかりではなく、何らかの副作用や反作用を想定する必要がある。また想定できないことも多いから、どのような副作用や反作用があったのかを総括しなければならない。

組織の活性度が低下した、人が育ってこないという結果は、ここ十数年、多くの企業で進められた規制・管理強化に関する諸施策の副作用・反作用である。コンプライアンスの実践を目的に行われたルールとその運用の厳格化、効率化を目的に行われた業務の定型化は、確かにリスクのコントロールとコスト削減には貢献したが、組織には息苦しさや閉塞感を漂わせ、仕事では創意工夫や挑戦といった積極的な取り組みへの意欲を奪っていった。組織の活性度が低下した、人が育ってこないという現象は、新しい問題が浮上したと捉えるべきではなく、過去に実行した策の副作用・反作用と考えるべきである。

もちろん、思いもしなかった悪影響が出るのは仕方がない面もある。しかし、それらを無視して放置したり、正当化して継続したりするのは、過ちをそうと認めない官僚と同じで罪深い。また、やってきたことを総括せずに、次々に起こってくる問題にいちいち新たな取り組みを行うのは、子供と同じで幼稚だ。今、経営や人事がすべきことは、これまで進めてきた諸施策を振り返り、その副作用・反作用を冷静に総括することである。過ちもあったろうし、行きすぎもあったろうが、それを率直に認めることなしに、表れた副作用・反作用を取り去ることはできないだろう。

ところが実際には、ルールの厳格化と業務の定型化はいっそう拍車がかかっているように見える。ルールが想定していないケースが起こればルールを作り、抵触するようなことが起こればいっそう運用を厳格にしようとする。クレームが起こるたびに、ミスが発生するたびに、マニュアルはどんどん分厚くなっていく。結果、萎縮や閉塞感を生じさせているのに、そして、薄々はそれが問題だと感じているのに止められない。企業におけるルールの厳格化と業務の定型化は、まるで、やり始めたら止められない公共工事のように見える。冷静な総括と真摯な反省を行い、その上で、例えば自由と寛容といったパラダイムから、新たな組織運営に舵を切ること以外に、組織の活性化も人の成長も期待できないだろう。

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う〜ん。
完全納得した、訳でもないのが、何となく記載。