不運な目に遭っても、「すべて自分のせい」と思えるか
「年収1億円」稼ぎのエッセンス 第1回
PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル
著者
株式会社オフィシャル 代表取締役 江上 治
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私たちは、チャンスに恵まれるときもあれば、不運な目に遭うときもある。
会社員であれば、希望しない部署への異動や転勤がある。会社そのものが倒産することもあるかもしれない。プライベートでは家族の病気も不運であるし、事故に遭うこともある。こうした逆境や苦難は、誰でも避けたいものだ。
だが、不運に遭遇したとき、これをどうとらえるか。じつは、そこが億単位の年収を稼げるか、ミリオネアになれるかの試金石なのだ。
どのような出来事であれ、「起こったことは、すべて自分のせい」と考えられる人は、不運をチャンスに変えられる人である。
私は、それをある顧客から教わった。
東海地方で医療法人を経営するY理事長だ。
Y理事長は、大学の医学部で学び、勤務医生活を経て独立。独立した3年後には在宅医療を中心とした介護サービス会社を立ち上げ、NPO法人も運営している。
現在のY理事長の年収は、1億7000万円。
こう聞くと、開業医の家系と思う人もいるだろうが、父親は銀行員である。医者とはいえ、ゼロからの出発でこの年収なのだ。
私がY理事長から教わった話とは、次のような内容だ。
起こった不運を他人のせいにする「他責」と、自分のせいだと考える「自責」でいえば、1億円以上を稼ぐ人の思考の根底には、つねに「自責」がある。
社員を雇っている経営者であれば、100パーセントが自分の責任と思える人でなければ、とてつもない年収を稼ぐ人にはなれない。もし1度は稼いだとしても、とてつもない年収を稼ぎ続ける人にはなれない。
たとえば社員にやる気がないという問題や、社員が休みがちという問題が起こったとする。その場合でも、それは、そういう境遇しか与えられない経営者の責任だ。
夫婦の関係においても同様。夫婦の間ですれ違いがあったときに、相手のほうが悪いと思うから、問題が起きるのだ。
そうではなく、たとえば奥さんが食事をつくらなかったとしたら、奥さんをそのような気分にさせている自分が悪い。家に帰ったときに、奥さんの機嫌が悪かったとしたら、それも自分が悪い。
もしかして、「ただいま」という自分の声が暗かったのかもしれない。
ぜんぶ自分が悪いのだと、まずは思え。
そうすれば、自然と解決策が生まれてくる。ところが、相手のあそこが悪い、ここが悪いと言い出すから、何の解決にもならず、同じ諍いを繰り返す。
自分にとっての新しい気づきがないだけでなく、人間的な成長もなくなる。自分が成長しないどころか、どんどん後退していくことになるのだ。
つまり、とても自分のせいとは思えないような不運に遭っても、すべてが自分のせいであると自然に考えられるのが、1億円以上を稼ぐ人の思考である。
ほかの誰のせいでもない。自分が引き受けていくしかないと思えば、すべてに覚悟を決めて向き合うことができる。そのときには、これまでのやり方では通用しない。考え方そのものを変えなくてはならないかもしれない。
だが、まずは「起こったことは、すべて自分のせい」と受け止めることができるかどうか。すべてを自責と考えることができる人は、何があってもポジティブに解決策を考えていける人でもある。
そして、そのような前向きな行動力をもった人だけが、とてつもない報酬を手にすることができるのだ。
【年収1億を生む黄金則】「他責」はひとつもなく、すべてが「自責」であると心得る。