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地産地消型「小水力発電」

昨晩ニュースも見た。
いろいろ問題もあるけど、地域電力を見直すいい材料かと思う。
文中にあるように、費用とモチベーション。

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地元密着・地産地消型「小水力発電」の潜在力に期待する各地の取り組みを取材しました。

フジテレビ系(FNN) 12月7日(水)0時47分配信
水資源が豊富な日本で見直されつつある水力発電
中でも地元密着・地産地消型の「小水力発電」が注目されています。
その潜在力に期待する各地の取り組みを取材しました。

大きなツリーを見つめるカップルや親子連れ。
すっかりクリスマスムードのディズニーリゾート。
ディズニーリゾートで使われている水は、ディズニーリゾートに来る前に、一仕事してきている。

水が行った一仕事、それは「小水力発電」。

千葉・浦安市の全域と、市川市の一部に水を送る妙典給水場。
1日平均およそ11万トンの流れる水が持つエネルギーを利用して発電を行い、施設内で利用している。

船橋給水場長の永野龍志さんは「(1年間で使う)電力量は507万kWですね。それから発電量として137万kW。割合としては27%でございます。それなりの効果が出てるということなもんですから、びっくりしている」と話した。

発電機でつくれる電力は、最大で毎時300kW。
こうした1万kW以下の小規模な水力発電が小水力発電と呼ばれている。
温室効果ガスを出さないエコなエネルギーで、小さな川や水路も利用できる。
そして日本は水資源には事欠かないということで、日本各地220カ所以上で行われている小水力発電
震災後の電力不足、そして脱原発の機運の中、さらに注目が集まっている。

岐阜・郡上市の北西部。
福井県と接する標高700メートルの集落・石徹白(いとしろ)。
集落の中にある食品加工所を見てみると、電源ケーブルは外へと伸びていた。
電源ケーブルをたどってみると、水車につながっていた。
この直径3メートルの水車は、常時1.5kWの電気をつくっているという。
目標は、電力の「地産地消」。
石徹白の水で石徹白の電力を賄うのがゴール。

しかし、「やすらぎの里 いとしろ」の久保田 政則理事長は、「家1軒分では若干多い、じゃあその余ったものどうしてるのっていうと、現状では、空気中に捨てているというような状態で」と話した。

2007年に設置した最初の発電機は、現在は常時600〜700kWを発電。
NPOの事務所兼スタッフの住居の電力を賄って、まだ余る。
食品加工所の水車も、想定以上の電力を生むため、毎時500kW程度が余る。
バッテリーにためてはいるが、多くを捨てているという。
電気をつくったが、余ってしまうというぜいたくな悩み。

震災後に増えたという見学者からは、費用対効果についての質問が多いという。
「やすらぎの里 いとしろ」の久保田理事長は、「費用対効果の話は当然出てくるけど、それだけの考えで始めようとするんなら、わたしとしては、あまりお勧めできない」と話した。
2つの水車の設置には、あわせておよそ900万円がかかっている。
文字通りの小規模な発電で元を取るには、何十年というスパンで考えなければならない。

さらに専門家は、ほかにも壁があることを指摘している。
全国小水力利用推進協議会の中島 大事務局長は「河川法の手続きなんかもありまして、いろいろ書類書かなきゃならなくて大変ということはあります」と話した。

そしてもう1つが、コストや手間がかかってもやってみようというモチベーション。
全国小水力利用推進協議会の中島事務局長は「3.11以降のこともあって、やっぱりこの資源生かして、自分たちで電気をつくりたいと、つくっていこうということになることが、まず第一のステップですよね」と話した。

石徹白の場合について、「やすらぎの里 いとしろ」の久保田理事長は、「この集落内に流れてる水を見て、もったいないな、何か利用できないかなと、常々思ってた」と話した。
ふるさとの自然エネルギーを地域活性化に使いたいという思い。
現状ではコストに見合わないといわれる小水力発電に注目が集まるのは、自然とともに暮らしてきた日本人の、郷土愛に訴えかけるものがあるからだろうか。