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本当に相手に伝わる「建設的なダメ出し」をする方法

ライフハッカー[日本版]2015年2月3日(火)09:11

大抵の人は、キャリアのある時点で、「建設的な批判」を述べる最も優れた方法を教わります。それは、最初にポジティブな意見を述べ、その後にネガティブなフィードバックに移り、最後に再びポジティブな意見に戻って、最初のポジティブな意見を再確認するか、別の新しいポジティブなフィードバックを伝えて話を締めくくる、というものです。

ネガティブなフィードバックを伝える方法として、そうしたアドバイスは良く耳にします。あまりにも人気があるので、アメリカのアニメ『ファミリー・ガイ』の中でも、実際にパロディーとして取り上げられているほどです。

けれども同時に、批判をほめ言葉ではさむ「ほめ言葉のサンドイッチ」がなぜそれほど評判が良いのかと聞かれると、答えに困ってしまうのも事実です。だって、このサンドイッチがおいしい、つまり、このやり方を好ましいと思っている人は、実際にはあまりいないのですから。

「サンドイッチ」が逆効果になることも


サンドイッチの名前とは、普通は中身の食材で付けられるので、「ほめ言葉のサンドイッチ」という名前は、実際には適切とは言えません。本当なら、「批判のサンドイッチ」とでも呼ぶべきなのでしょう。でも、それでは「批判」が強調されてしまい、この方法の意図するところと矛盾してしまいます。

創造的で優れた仕事を成し遂げるためには、批判が欠かせません。私たちは、アイディアを改善したり、プロジェクトを強化したりする目的で、日頃から批判を述べたり、意見を衝突させたりしています。こうした側面から見ると、「ほめ言葉のサンドイッチ」は効果的ではありません。「ほめ言葉のサンドイッチ」だと、曖昧で関連性の薄い2つのポジティブな話の間に批判をはさみ込むことで、論点が伝わりにくくなり、逆の効果を生み出してしまうのです。

このようなやり方で上司から批判された部下は、「結局のところ自分は昇進するのか、クビにされるのか、一体どちらなのだろう」と悩むことになりかねません。さらに、批判の程度が強ければ、ポジティブな話のすべてが誠意のないものに感じられ、フィードバックを伝えるという本来の目的からさらに遠ざかってしまうでしょう。


「サンドイッチ」に代わる"批判の作法"


つまり、「ほめ言葉のサンドイッチ」は、あなたのメニューから外す必要があります。代わりに、おすすめの方法をご紹介しましょう。


・具体的に批判しましょう

「ほめ言葉のサンドイッチ」の問題は、その曖昧さにあります。たとえ前後のほめ言葉を省いたとしても、批判の内容自体が理解しづらいものかも知れません。

例えば、「もっと力強さがほしい」と言うだけでは充分ではありません。「力強い」とはどういう意味かを、わかりやすい具体例を挙げて説明しましょう。「このレポートは、もっとストレートで魅力的な内容にする必要がある」と言いたいのか、「この広告には、驚きと意外性が足りない」と言いたいのかを明確にする必要があります。

自分が好んで使う形容詞について、「聞き手も自分と同じように言外の意味を理解してくれるだろう」などと決めつけてはいけません。


・批判は定期的に行いましょう

フィードバックや批判を伝え合う機会がめったになく、年末の勤務評価の時などにしかそのような機会が設けられていなければ、できれば避けて通りたい行事と感じられるでしょう。けれども、フィードバックを日頃の会話の中に盛り込んで習慣化すれば、そのようなやり取りもより普通に感じられ、あくまでも改善に向けたプロセスの一環として捉えられるようになるでしょう。

プロジェクトが終わりに近づくのに合わせて、反省会を実施するよう習慣化してみてはどうでしょうか。2週間か1カ月に1回くらいのペースで、部下とのミーティングを予定に組み込み、建設的な批判を議題に入れるようにすればなお良いでしょう。


・「プラス」しよう

批判した点については、具体的な改善策をつけ加えたり提案したりしましょう。提案を行うことで、あなたが弱点を見抜く能力に長けているだけでなく、欠点を改善し、プロジェクトをより良いものにしていきたいからこそ弱点を指摘するのだ、というあなたの気持ちも周囲に伝わります。

「プラス」するという表現は、アメリカの映像制作会社であるピクサー・アニメーション・スタジオ社から生まれました。同社では、すべての映画がより良い作品になるように、社員たちが具体的な批判を交わす機会を定期的に設けています。仮に1人のアニメーターが、あるシーンに映りの悪いキャラクターがいると主張したら、そのアニメーターは、その部分の修正法についての提案を「プラス」しなければならないのです。

同社の社長を務めるエド・キャットムル氏でさえ、ピクサー映画はどれも、制作開始当初はひどいものだと認めています。「出だしはどれも散々ですよ。ピクサーが語る物語はすべて、そんなふうに始まるのです」。けれども、このような率直な批判や、ほかの多くの建設的な批判によって、作品は洗練されていき、最終的には素晴らしい傑作が誕生するのです。

リーダーシップやマネジメントに関する著作のあるケン・ブランチャード氏の言葉に、「フィードバックは、チャンピオンにとっての朝食である」というものがあります。こうしたチャンピオンたちの場合、「ほめ言葉のサンドイッチ」を評価することはめったにありません。

批判を自分自身の成功の糧にするために、みなさんはどのような工夫をしていますか?