何かを諦めることがいつも悪いとは限りませんが、さじを投げたくなった時にも背中を押してくれる言葉があります。その1つは、そういう時ほどよりクリエイティブになれる、というものです。

研究者であるBrian J. Lucas氏とLoran Nordgren氏は一連の研究で、粘り強さが創造力に与える影響について調べました。彼らはある条件下で対象者に対しアイデアを出すよう指示しました:例えば、プロのコメディアンにお笑いのオチを作らせるなどです。

そして、別のグループに対象者のアイデアがいかに独創的であるかを評価してもらいました。最も大きな発見は挑戦することで創造力が強化されるということでしたが、さらに興味深いのは、人は踏ん張っているときに自分たちのアイデアがどれほどクリエイティブであるか想像しにくいという事実です。ある論文で研究者グループはこのように報告しています。

 

平均的に、学生らは粘り強く取り組めば新たに10余りのアイデアを出せると予測していました。しかし、実際にはもっと多く、新しいアイデアは15ほど生まれたのです。

私たちはなぜ自分たちのクリエイティビティを過少評価してしまうのでしょうか? それは、クリエイティブな挑戦を難しく感じるからです。人は「行き詰った」と感じる経験をし、答えの導き方がわからなくなり、また1つのアイデアで壁にぶつかり、1からやり直すという事がよくあります。

 

確かに、諦めることが問題解決の最良の解決策である場合も時にはあります。何かをやめるかどうか決めるときには考えなければいけないことがたくさんありますが、人は新しいアイデアを生み出すことに関しては、粘り強く取り組むことの力を過小評価しがちです。

この状況に対抗するために研究者たちは2つの事を提案しています。やめようかな、という最初の直感は無視すること、そしてクリエイティブな問題は難しく感じるものなのだと心に留めておくことです。

 

Giving Up Is the Enemy of Creativity | HBR