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ベルギーの自然発酵ビール

ついでにこちらも参考にさせて頂いた。

シャンパングラスで飲もう! ヘルシーな自然発酵ビール | おいしいラク学講座

 

ベルギービール専門店で飲んだ「自然発酵ビール」。口が曲がるほど酸っぱかったけど、飲んでいくうちに慣れて、飲み終わったあと思わず「もう一杯!」。不思議な魅力の自然発酵ビールって、いったいなに?

ビールの種類は3種類

ちょっとややこしい話になるが、ビールは、製造工程の違いで、「下面発酵」、「上面発酵」、「自然発酵」の3類に分類することができる。それぞれの違い、説明してみよう。

「下面発酵」

5度前後の低温で発酵し、発酵中、酵母が下に沈んで行くので「下面発酵」と呼ばれるタイプ。近代ビールの造り方でもある。すっきり軽快で洗練された飲み口。世界中で人気のピルスナーやアメリカ、日本の大手ビールはほとんどこのタイプ。

「上面発酵」

常温またはやや高温状態で発酵し、発酵中、酵母がもろみの表面に浮き上がってくるので「上面発酵」と呼ばれる。古くからの造り方。強い芳香、濃厚な味わいで、飲み応えあり。イギリスのエール、ベルギートラピストビールアイルランドのスタウトなどがこれ。

「自然発酵」

空気中の野生酵母を自然に取り入れる、いわば古代の造り方を周到したものが「自然発酵ビール」と呼ばれるタイプ。今では、ベルギーブリュッセル近郊でしか造られていないとても希少価値の高いビール。名前は「ランビック」。

酸っぱさの極み、自然発酵ビールの「ランビック

今回お勧めしたいのは、この「自然発酵ビール」の「ランビック」だ。ブリュッセルでは現在10社ほどがこのランビックを造っている。日本で買いやすいメーカーは、「カンティヨン」「ブーン」「ベルビュー」の3銘柄。 

とくにお勧めしたいのは、「グーズ」とよばれるカテゴリー。これは熟成したランビックとできたての若いランビックをブレンドし、さらに瓶内二次発酵させたもの。きめ細かい泡で味わいのバランスがとてもいい。

とはいえ、なにしろこのランビック、特徴は、酸っぱいこと。慣れないと口が曲がるほど酸っぱく感じる。おまけに「漬物か?」と思うような発酵臭もあって一瞬ぎょっとする。一口目には、目がしばしばして、口がきゅっとすぼまり、飲みこんだあとには涙が出る。そのくらい酸っぱくて個性的。でも、二口目三口目になると、その酸味にも慣れ、だんだんと旨味が感じられ、すっきりとしたナチュラルで奥深い味わいが、いつの間にかクセになっちゃうから不思議。

ランビックは、絶対シャンパングラスで!

友田流飲み方のポイントは、小ぶりのシャンパングラスで飲むこと。普通のビールと同じようなコップやグラスでは、この繊細、かつ、大胆な自然発酵ビールの醍醐味は味わえない。ましてやジョッキなどありえません。

地元では常温で飲むけれど、ここは、やっぱりちょっと冷やして。日本人の舌にはキレがよくなり酸味も心地よく感じられるから。

1グラス目は、そのまま食前酒として。希少価値の高い品格ある伝統ビール、まずは姿勢を正していただくのである。

2グラス目は、料理と一緒に。新鮮な貝類を使ったサラダやレモンを絞ったスモークサーモン、白身魚のマリネなどには、もうぴったり。ワインにも負けない相性を体験させてくれる。

3グラス目には、ぐっと庶民的に、鶏の唐揚げ。ビールの酸味と自然な泡が、揚げ物の脂分をきれいに落としてくれ、あっさりと食べさせてくれる。エビフライ、イカの天ぷら、串揚げ、など揚げ物との相性はすべてバツグン。自然発酵ビールがレモン代わりになり、見事な食欲増進効果を発揮してくれるのだ。

ボトル(通常375mlサイズで販売される)の底に残った「澱」も、ぜひ飲み干そう。ここにはミネラル、アミノ酸、ビタミンがたっぷり残っている。特にビール酵母に多く含まれるビタミンBは、脂肪を上手に分解してくれるビタミン。揚げ物と一緒に、というのもここに理由があるわけ。自然発酵ビールの自然な澱は、まさに自然のサプリメントなのだ。

ネット通販やデパートでは簡単に購入できるし、最近人気のベルギービール専門店では、珍しいランビックも体験できるはず。ぜひトライ!

ランビックの酸味を押さえるためにサクランボや木苺をブレンドした甘い自然発酵ビールもあるけれど、そのお話は、また今度。