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なぜ「欲」に従順な人の仕事は心を打つのか?

 

プレジデントオンライン2015年4月13日(月)09:21

 

■やりたいことを見つける3つの習慣

今回はやりたいことを見つけるための「3つの習慣」(発見する、行動する、直感に従う)をご紹介します。

習慣1. 自分の中のワクワクを見つける「発見する習慣」

自分がやりたいことを、どう見つければいいのか? 私はそうしたご相談をたくさん受けます。そんなときはこうお伝えしています。「まず、自分が何にワクワクするかを知ってください。軽い感じのワクワクではなく、心底ワクワクする、自己欲求を満たすレベルでのワクワクとは何かをご自身で探してみてください」。

なぜ、軽い感じのワクワクでは不十分なのか。それは、仮に好きなこと、ワクワクする事柄を挙げてもすぐに実現できない場合があるからです。

たとえば、「モデルになりたい!」「野球選手になりたい!」「パイロットになりたい!」「医者になりたい!」と言っても年齢や物理的な条件から難しいケースがあります。

「本物のワクワク」を探す上で大切なこと、それはなぜ、それにワクワクしたのか? 何に心が踊り魅了されるのか? と自分自身を掘り下げてみることです。その源にこそ、あなたを刺激する本物の「欲求」があります。

その「欲求」を明確に知らなかったばかりに、仕事がうまくいかなくなることもしばしば起こります。

たとえば、「冒険する」「競争に勝つ」という欲求を持っている営業マンAさんの話をしましょう。

最初に入社した会社では新規開拓営業でどんどん新しいお客様に飛び込み営業をしていました。その会社は、売り上げ競争があり、成績表が全社に張り出されるという、大変シビアだけれど頑張りがいのある仕事環境。Aさんは充実感を感じていました。

そして、意気揚々ともっと大きな仕事がしたいと、次の会社に転職をしました。ところが、その会社の仕事は規模が大きい代わりに、組織で動くスタイルの営業です。Aさんは1人でガンガン動いていきたいタイプですが、転職先では、全ての判断に上司、本部長、事業部長までお伺いを立てる必要があります。さらに既存顧客ばかりを担当し、売上げ競争はない。

同じ営業職をしていても、前者ではワクワク意気揚々と仕事をしていて、次の会社ではフラストレーションの塊となり、次第に仕事が嫌になっていったのです。

このAさんの事例を見てわかるように、職種や業界、趣味そのものに目を向ける前に自分の中の欲求に目を向けて頂きたいのです。

■デキる人は自分の「欲」を知っている

では、その欲求とは何か? もう少し具体的に解説していきましょう。

私は、「自分欲求」と読んでいますが、これは1人でやっていても楽しいと感じられることの中に潜むもので、ワクワク感を作り出す作用があります。ワクワクする気持ちはこの自分欲求から生まれるのです。

冒険する/知らない世界に出会う/刺激する/創造する/貢献する/変化する/リスクを取る/言語化する/静けさの中にいる/自己対話する/分析する/観察する/収集する……

これらの「動詞」で特に自分が魅了される言葉が自分欲求である可能性が高いのです。

私の場合、「知らない世界に出会う」が欲求としてあるので、海外旅行は毎回違う場所に行きます。同じ場所には行きません。また、引っ越しも大好きです。同じ場所にずっと留まると飽きてしまうのです。「変化する」という欲求もあります。これは、常に新しいチャレンジをしていると満たされます。

欲求が明確になったら、次は、この欲求を満たせる行動や職業は何かと考えるのです。そうすると自分のワクワクのツボを外さず、さらにたくさんのやりたいことを発想することができます。

習慣2. 心のブレーキを外して「行動する習慣」

人生でやりたいことを見つけるための2つめの習慣は「行動」です。

やりたいことを実際行動に移すと、感情がわき上がます。楽しい、面白い、うれしい……。じっと座って考えているだけでは、そうした感情は生まれません。感じるためには、何よりも行動することが大切です。

趣味であれば、体験会に行ってみる。

憧れの職業があるなら、その職業に就いている人に会いにいって話を聞いてみる。

そうすると、前述の自分欲求が反応するかどうか分かります。

反応しなければ何かが違うのです。

運よく、自分欲求に反応した「やりたい」ことが見つかったとします。でも、その時、たいていの場合、前回(http://president.jp/articles/-/14845)書いた「4つの心のブレーキ」がかかるでしょう。

「そうは言っても、そんな時間はない」
「どうせできないよ、自信がない」
「周りにどう思われるか心配だ」
「反対されているからできない」

小さなやりたいことは自分でできても、独立や転職といった大決断となると周囲も反対することがあり、簡単には話は前に進みまないかもしれません。

ただ、それでもベビーステップで小さく試すことはできます。独立ならば、週末起業をしてみたり、独立している人に話を聞いてみたりすることができます。大きく変わる前に、小さく行動して感情を味わってみてください。判断はその後に下せばいい、というぐらいの気楽さが必要です。

■デキる人は直感を信じ、邁進する

習慣3. 心の声に敏感になる「直感に従う習慣」

直感は「やりたいこと」に導いてくれるナビゲーターです。やりたいことで生きている人は直感に従う習慣を持っています。

これをやった方が得だから、あとで役に立つから……。こういう算段よりも「ワクワクするから」「楽しそうだから」と感情的判断で動くのが特徴です。感情に素直と言ってもいいでしょう。

直感とは、私なりの定義で言えば「考えることを手放して、ただ感じることに集中した時にわき上がってくるメッセージ」。

私の一番のメッセージは、「やりたいことは自分の心の中にある。あとはそれを知るだけ」。

直感は、言葉より感情・感覚を通じてやってきます。だからこそ、曖昧で無視しがちなものでもあります。あまりに無視しすぎると、直感の力はどんどん弱まってきます。

好きなことをやる、楽しいことをやる。

ちょっとしたことでいいので、毎日直感に従う習慣を続けると、WANT感性はどんどん磨かれていきます。

以上、2回にわたってやりたいことが見つかる習慣をご紹介しました。

それぞれにたくさんのワークや解説しきれていない部分もあるので、詳しくは拙著「やりたいことが見つかる3つの習慣」(日本実業出版社)をご参照ください。

それでは、あなたのやりたいことが見つかるヒントになれば幸いです。