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HighlandPark 12年、DARK ORIGINS、そしてLOKI

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家着。

10日ぶりのお酒。仕入先との飲み。

2軒目、バーラジル~かいどうの屋根裏。

久々のバーにて久々のシングルモルト

 

好みのHighland Parkシリーズが3種。

12年、DARK ORIGINS(限定酒)、そしてLOKIがあった。

LOKIはショットで¥2,200。高!でもおいしい!!

 

Highland Park

こんなページがあったので、大変失礼ながらコピペ。

長文。

でも、ヴァルハラ・シリーズの最終章 “オーディン”を飲みたい。

日本入荷は今夏らしい。

北欧神話の最高神の名をもつお酒。

期待感。

 

openers.jp

 

LOUNGE INTERVIEW

INTERVIEW|オークニー諸島の厳しい気候が生み出した自然の賜物、ピートがもたらす芳醇な香り

物語を綴るウイスキー、ハイランドパークの魅力(前編)

スコットランド最北端という厳しい環境下にある蒸留所で造られたウイスキー「HIGHLAND PARK(ハイランドパーク)」。同ブランドのグローバル・ブランド・アドヴォケイト、ダリル・ハルデイン氏に注いでもらった「ハイランドパーク18年」は、なんとも優しいふくよかな香りとフルーティな味わいが口の中に広がり、思わず自然に笑みがもれた。モルトファンが一目置くハイランドパークは、どんな土地や人、製法から生まれるのか。ダリル・ハルデイン氏が静かに“ハイランドパークを巡る物語”を語りはじめた。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)
Photographs by SUZUKI Shimpei (INTERVIEW)

北緯58度59分から生まれるウイスキー

オーカディアン(オークニー人)は、自分たちの歴史とおなじくらい、自分たちのウイスキーに大きな誇りをもっている。1798年、北欧とスコットランドの文化が交差する「オークニー諸島」で創業したハイランドパーク。以来、ハイランドパークはオークニー諸島の遺産の一部となっており、1999年にはユネスコ世界遺産に登録されている。

ハイランドパークのスポークスマンであるダリル・ハルデイン氏は、「ハイランドパークの魅力は主に3つあります。長く伝統的な製法を持続していること、それにより胸を張って推奨できるウイスキーを造れていること、そしてとにかくおいしいこと」と微笑む。

ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 02

オークニー諸島は大小70の島からなり、蒸留所のあるカークウォールは北緯58度59分にあります。スコットランドとは歴史が異なり、私たちはとてもリラックスできる落ち着いた町に暮らしています。また、私たちは青い目で、髪の色が薄く、肌の色も白くて、スコットランド人ではなく、スカンジナビア系の民族です」

スウェーデン人は、ハイランドパークの蒸留所はスカンジナビアのものだと信じていて、スコットランド最北端ではなく、“スウェーデンの一番西の端”にある蒸留所だと思っているという。

「北緯58度59分の土地を想像できますか? 日本からオークニーに来て最初に気づくのは、とても風が強いということです。時速40マイル以上の風が吹く日が、年に80日以上あります。つねに風の音が聞こえています。でも畑仕事など野外で仕事する人が多いので、厳しい気候に慣れてタフな性格になっていきます。ただ厳しいといっても、それほど寒くはありません。年間でも零下にはならず凍結しません。暖かくても15度ぐらいですが」

ハイランドパークの品質を支えるもの

そんな環境で造られるハイランドパークの品質を支える5つのキープロセスを紹介しよう

フロア・モルティング
ハイランドパークは現在も製造に使う20%のモルトを手作業(水に浸した大麦を一定時間ごとに攪拌しながら麦芽を作る作業)でおこなっている。

オークニーのピート
樹木の育たないオークニーでは、スコットランドのほかの地域とは異なったピートが採れるが、ハイランドパークでは3つの異なる層から手作業で切り出されたピートを使用。これによりモルト特有のフローラルなスモーキーさがくわわる。

クールマチュレーション(低温熟成)
夏でも15度、冬でも零下にはならない涼しい環境でウイスキーは眠りつづける。さらに、湿潤な土地なので、本土の乾燥した地域よりもエンジェル・シェア(熟成中に蒸発してウィスキーがなくなる分量)は少なくなる。

オーク樽のシェリーカスク
ウイスキーの風味のうち、最大70%が樽に由来すると考えられている。ハイランドパークではスパニッシュオークとアメリカンオークのシェリーカスク(樽)を使用。シェリーカスクは高価だが、独特のコクと重層的な複雑さを生み出す重要な役割を担う。

カスクハーモナイゼーション
個々の原酒を合わせたのち、再び樽に戻しておこなう一定の調和期間のことで、ウイスキーメーカー(ブレンダー)のマックス・マクファーレン氏がバランスを整える。この過程により、原酒同士が馴染んで一貫性とバランスが生み出される。また、0度以上の気温でも濾過(ろか)が可能になるため、口当たりが損なわれない。

ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 03
ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 04

ウイスキー好きの男はなぜスコットランドを目指すのか

「日本からも大勢の男性が、スコッチウイスキー巡りのためにオークニーまで来られます。モルトウイスキーを好きな男性は、いいものの価値がわかる方が多く、現地に来ることで“飲む資格”を得られると思っているのでしょう。また面白いことに、モルトウイスキーはブランドごとにちがうタイプの男性を惹きつけます。『マッカラン』が好きな人は有名ブランドが好きな方が多い印象ですが、ハイランドパークは謙虚で目立ちたがらない、本質を理解している方が多い。私たちの物語や伝統、歴史を求めて、そこに価値を見いだす方に好まれる傾向にあります」

日本からは、先日もスコッチ文化研究所(http://scotchclub.org/)のメンバーが訪ねたそうで、「工場が小さいので、製造過程のすべてを見ていただける数少ない蒸留所の一つです。ぜひ来て、見て、飲んで、買っていただきたいです」

スコッチウイスキーを造るのにオークニーが適している理由

オークニーでウイスキーを造るのは世界で一番お金がかかります。スコットランドの最北端にあるので、ほかの地域の人に頼ることができず、自給自足で造らなければならない。私たち自身で、大麦を麦芽にする行程をおこなっています。また、モルトをつくる過程で、乾燥させるのですが、そのときの燃料には、地元で採れるピート(麦芽を乾燥させ、香りづけをする泥炭)を使っています。このオークニーのピートのみというのが重要なんです」

そういって、カークウォール蒸留所から持参したというピートに火をつけた。

ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 02

オークニーは風が強いので、高い木は育ちません。ピートは、低木のヘザー(ツツジ科の植物)が数千年の時間を経て腐敗・分解されたもので、混じり気のないヘザーからできたピートは、焼くととてもいい香りがします。ウイスキーを味わってもらうことで、ピートの良さもわかっていただけると思います」

このピートは、オークニー諸島でも島によって変わるそうで、有名なアイラ島のピートは、もっと刺激の強い香りがするという。

「そして、ウイスキーのフレーバー(風味)を左右するのが、シェリーカスク(樽)です。カスクを作る木が育つのに100年。その木を切って乾燥させるのに4年、さらに樽を作ってから、シェリーを使って樽に香りをつけるのに2年。順調にいって106年の時間がかかります。ハイランドパークは、そのすべてのプロセスを自社でマネージメントしている数少ない会社なのです」

現在、ハイランドパークが所有しているカスク(樽)は約4万2000個もあり、たったひとりのウイスキーメーカー(ブレンダー)であるマックス・マクファーレン氏は、カスクを選ぶときにはウイスキーを口にふくまず、香りだけを頼りに、毎日500樽のサンプルを嗅ぐ仕事をしているという。

ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 03
ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 06

ダリル・ハルデイン氏とハイランドパークの“ストーリー”

ウイスキーというと、ひとりでゆっくり愉しむ酒というイメージのほかに、男同士で酌み交わすシーンも想像できる。

「わたしは『ハイランドパーク18年』を、“義理のお父さんのウイスキー”と呼んでいます。前の会社からハイランドパークに転職したとき、義父にいいウイスキーをプレゼントすると約束して、18年をプレゼントしました。義父に転職した理由を伝えたくて、ハイランドパークの歴史や伝統を語って、飲んでもらい、理解してほしかったんです。
義父は18年を口にして、“シェリーカスクとピートの組み合わせによる、スモーキーな風味と甘さのバランスがよくとれている”とほめてくれました。そのときに、私は“あなたの娘さん(妻)が妊娠しています”と告げたんです。それから義父はウイスキーを飲みつづけてくれています」

「ウイスキー、シャンパン、ワインなど、なにかを記念するときに飲む酒は、私たちの記憶のなかにしっかり残ります。ハイランドパーク18年のメロー(まろやか)な味わいには、そのときの記憶がいつも刻まれています」

ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 08
ハイランドパーク|レミーコアントロージャパン 10

ダリル氏は、子どもが生まれたときも18年で乾杯したという。改めて18年の魅力を問うと、「はじめてモルトウイスキーを飲む方からウイスキーのエキスパートまで楽しんで飲めるスピリッツです。甘くて、やわらかいスモークと表現していますが、甘さはスパニッシュオークから、香りはピートからの賜物。ウイスキーというと男性が飲むイメージがありますが、昨晩行った銀座6丁目にある「BAR ORCHARD GINZA(バー オーチャード ギンザ)」では、女性がカクテルにして飲んでいました。ハイランドパークの甘さは女性にもぴったりなんです」

ハイランドパークは、2005年、2009年、2013年の3回にわたって、アメリカの専門誌『Spirit Journal』において「ザ・ベスト・スピリッツ・イン・ザ・ワールド」に選ばれ、2009年のワールド・ウイスキー・アワードでは、「ワールド・ベスト・シングルモルト」に選出されるなど、つねに高い評価を得ている。

ウイスキー造りに近道はない

インタビューの後半、ハイランドパークのグローバル・ブランド・アドヴォケイトを務めるダリル・ハルデイン氏は、紙に何かを描きはじめた。

「ウイスキー造りにカスク(樽)が重要だというのはお話しましたが、ハイランドパークではスパニッシュオークとアメリカンオークを使っています。簡単に説明すると、『ハイランドパーク12年』は、ヨーロッパのオークとアメリカのオークの両方を、18年はヨーロッパのオークを主に使っています。また、25年は18年のお兄さん版。30年、40年、50年はまた特別な種類になります」

ダリル氏は個人的に21年(日本未入荷)が好みだそう。「ハイランドパークで使うヨーロッパとアメリカのオークは、乾燥や樽作りなど、扱い方はおなじです。

スペインで樽を製造して、シェリーを使って香りづけして、オークニーに送るのですが、香り、色、味、そのすべてがまったく違います。また、ハイランドパークは着色していないので、飲むときには色もぜひ味わってみてほしいですね」

スカンジナビアの伝統も受け継いでいるオークニー諸島

「私の名前はハルディンですが、デンマーク系とスコットランド系のハーフのことを“ハルディン”と呼び、オークニー諸島ではポピュラーな名前です。ハイランドパークの蒸留所を作ったマグナス・ユンソンも、スコットランドの名前ではありませんでした」

北欧の神々を意味するハイランドパークの「ヴァルハラ・コレクション」は、2012年に北欧神話の雷神マイティ・ソーをイメージした「ハイランドパーク“ソー”」を、翌年には第2弾として、火神でもあるロキをイメージした「ハイランドパーク“ロキ”」を発売。そして今年、第3弾は美貌で名高い愛の女神であるフレイヤをイメージした「ハイランドパーク“フレイヤ”」が登場した。

「“ソー”は、男性の神ソーの神話をウイスキーを通じて伝えたかったので、アメリカンオークを用い、シンプルで力強く、スパイシーでストレートなウイスキーを造りました。“ロキ”は、あえてスコットランド本土のピートを使い、違う風味をもたせました。今回発売した“フレイヤ”は、軽く美しく柔らかい自然の女神、出産の女神を連想させるために、バーボン樽で熟成した原酒を使用。15年熟成させ、花の香りがする女神を表現しました。そして、最終章の第4弾は、来年の2月に発売されます」

ヴァルハラ・コレクションは、いずれも15年から20年の熟成を経たシングルモルト・ウイスキーだ。15年~20年前に構想されたものかを問うと、「それがウイスキーというものです」と返ってきた。

チャンスがあればオークニーで飲んでください

インタビューの最後に、日本のウイスキーファンに向けてメッセージをお願いすると、「伝えたいのは、ハイランドパークは世界で一番優れたスピリッツということ。ただそれだけです」と答えが返ってきた。

3回にわたってハイランドパークの魅力を探ってきたが、風土から製法まで、すべてに意味があり、すべてに入念で、すべてに理由があることがよくわかる。ダリル氏は最後にこんな言葉を残していった。「このすばらしいウイスキーを、チャンスがあればぜひオークニーで飲んでください」