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仕事がうまくいかない人に共通する口グセ 「謝る」ことで攻撃的な人を味方につけよう

東洋経済オンライン2015年3月13日(金)06:00

 

会社、友人、得意先――。どんな組織にもいる、「攻撃的な人」。モラハラ(モラルハラスメント)という言葉も流行りましたが、相手を威圧することで「相手の上に立ちたい」「有利にことを運びたい」という人は少なくありません。しかも上司やクライアントなど逃れられない関係になると、自分の仕事や生活にも実害が出るもの。そんなマウンティングにどう対処すればよいのでしょうか。

「こちらが悪くないのに、なぜか責められる」

「ほんのささいなミスなのに、何日にもわたってなじられる」

「報告が抜けただけで舌打ちされる……」

どんな職場にも、自分の都合で物事をとらえている人はいるものです。あなたから遠い関係の人であれば「触らぬ神にたたりなし」とばかりに距離を置けばいい。しかし、それが直属の上司やマネージャー、クライアントであればどうでしょう。避けることはできません。実は、うまくかわしながら良好な関係を築く方法があります。

一流の人は謝ることに葛藤がない

相手がちょっとでも怒っているときの対処法。それは、真っ先に「謝る」ことです。「なんだ、そんなこと?」と思われるかもしれません。あるいは「自分は悪くないのに謝りたくない」という人もいるでしょう。

しかし、一流の人は「なぜ自分が悪くないのに謝らなきゃ……」という葛藤はありません。仕事の評価は、「不条理なことを言われても怒らない」「文句言わずに対応してくれる」ことで上がるのです。その評判が伝わって、新たな仕事にもつながります。

「メールの返信が受信から6時間以上経ったら謝罪せよ」。これはコンサルタント会社マッキンゼーのルールだそうです。6時間以内に返答が基本。それを超えたら「謝罪」なのです。「すみません、遅くなりまして!」とつけるのです。

「非があるかどうか」が問題ではありません。それがわかり合う努力なのです。謝ることで仕事がうまくいくのであれば、積極的に謝っていくべきなのです。

人は努力をしなければ、わかり合えないもの

仕事は「人間関係が9割」といってもいいでしょう。多くの人が人間関係をよくするために苦労しています。でも人はわかり合えない。筆者は20代のときに、双子の兄弟がけんかをしているのを目撃して、人はわかり合えないことを悟りました。

生まれた年も星座占いも血液型も一緒。着ている服も好みも一緒。生まれた環境や親さえ一緒なのにわかり合えない。生まれた場所も性別も世代も違っている人たちが、わかり合えるはずがないですよね。

それでもわかり合いたいなら、わかり合う努力をしないといけないのです。努力しないとうまくいかないのです。

そのときに必要なのが「あいさつをする」「プレゼントを贈る」といったコミュニケーション。「謝る」こともその中のひとつです。1対1の関係だけじゃなく、たとえば会議に一緒に出席している人たちにも、「野呂くんが謝ったおかげで会議が泥沼にならなくて済んだよ」「長くなると思ったけど、野呂くんが謝ったから5分で終わったね」「よくあそこで頭下げたよね」と周囲の評価も上がります。

「謝る」ということは、相手を立てるということでもあります。マウンティングしてくる相手に対しては、謝ることで相手の「下」に立ちましょう。

普通は誰もが相手の上に立ちたいと思ってしまいます。そのほうがビジネスでも、プライベートでも優位に立てると考えるからでしょう。しかし、どちらが上に立つかを争っている関係は、よい関係とは言えません。それでも人は上に立ちたがる。だったらその傾向を利用していきましょう。

謝罪することで上下関係をあえてつくり、進んで上の席を譲ります。あえて、相手の下に立つのです。相手の下に立つというとネガティブに聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。

下に立つメリットは、相手の気分をよくすることで、より良好な人間関係をつくれることです。仕事を発注してもらったり、よいアドバイスをもらったり、よい上下関係で得られるメリットは想像以上に大きいと言えるでしょう。

そんなときに言ってはいけない言葉があります。
 「でも……」
 「だって……」
 「……だからしょうがない」

この「3D用語」は禁止です。言い訳はできない人のすることだということです。

責任転嫁にしかならないことをいってもあなたの評価を下げるだけ。下手をしたら、言い逃れしようとしているとか、相手が「自分のせいにしてきた」と誤解してしまうかもしれません。

謝れなかった自分を変えた、ある方からの一言

「ポストが赤いのもすべておまえのせいだ!」

これは以前ある経営者にいわれた言葉です。筆者は今でこそこうして、偉そうに「謝る」効能を書いていますが、実はかつて謝れない人間でした。

30歳前後で、放送作家の仕事も増え始め、いわゆる「調子に乗っていた」時期だったのです。自分がミスをした覚えもないのに、非を責められるとすぐに、「その案件は僕と関係ありません!」ときっぱり発注先にタテついていたのです。

そんなとき、お世話になっていた経営者にこの言葉を浴びせられました。その方は未熟な僕に、ことあるごとにアドバイスをくれた人です。

「男性でも爪は磨いたほうがいい」「美容院には2週間に1回行きなさい」など、成功のための法則を教えてくれたメンターのような存在だったのです。

そんな方から、「雨が降るのも、ポストが赤いのも全部おまえのせい。そのつもりで世の中、生きていけば必ずいつか出世できるから」と言われ、筆者は衝撃を受けたのでした。

筆者の昔からの付き合いの人たちは、「最近はすっかり腰が低い人になりましたね」と言ってくれます。「わかり合う努力はしたほうがいい」と思えるようになったからかもしれません。わかり合いたいと思うから、今日も僕は「ごめんなさい」と謝っています。

実際に謝るようになって感じるのは、謝るほうが人生は楽しくなるということです。人間関係がうまくいくと、仕事もうまくいきます。謝り方を身につけると、人生が変わるのです。

 

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あとは心を込めること。