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国際比較調査、持続的な消費行動の現状

2014年9月30日17時25分ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト

国際比較調査、持続的な消費行動の現状
(Photograph by Cyrus McCrimmon/Denver Post/Getty)

 ナショナル ジオグラフィックが実施した最新の調査によると、多くの人が地元の有機食品を食べ、肉やボトルドウォーターの消費を控えようとする一方で、環境に優しい消費者になるための十分な情報や影響力を持っていないと感じていることがわかった。

 ナショナル ジオグラフィック協会と国際世論調査機関グローブスキャンが行った調査では、世界18カ国の消費 行動と意識が評価され、環境に与える影響の相対的な規模に基づいて得点がつけられた。 

 韓国、ハンガリー、オーストラリア、カナダを含む11カ国は、2012年に実施された前回の調査より高い評価を 得る結果となった。 

 また、グリーンデックス(Greendex)で毎回持続的な食習慣の最上位になっているインドは、今回も2位以下の 国々を大きく引き離した。国民の4人に1人が菜食主義者で、肉を食べる人も宗教上の理由から環境に最も悪影響 を及ぼすとされる牛肉を避けることが要因として考えられる。また、同国の輸入食材の消費は減少し、地元で生 産された有機食品の消費が増加した。 

地産地消ブーム 

 今回の調査で、消費者の大半が地元で生産された食品を頻繁に口にしていることが明らかになった。ロシアで はその割合が最も高く、77%の人が毎日、あるいは週に数回は地元産の食材を消費しており、そしてインド、中 国と続く。 

 ロシア、ハンガリースウェーデン、そしてドイツでは、多くの有機食品や自然食品が消費され、現在それら が主流になりつつある。 

 一方、消費者の34%は、食品の質や生産地、安全性について十分把握しておらず、43%は、彼らが口にする食 品の生産過程でほとんど影響力を持たないと感じている。2012年に比べ、各国で食の安全に関する意識が高まる なか、腐敗した食品の騒動が相次いでいる中国では不安が広がっている。 

「消費者は食品システムから疎外され、特に生産過程において影響力がないと感じているようです」と、グロー ブスキャンのエリック・ワン(Eric Whan)氏は話す。 

◆食文化 

 スウェーデン以外の国々で、国民の大多数は食を文化の本質的要素と見なしており、特にインドや中国、スペ イン、メキシコは国民食に対する愛着が強い。 

 メキシコは、牛肉や鶏肉を中心とした食習慣から、グリーンデックスで最下位になった。魚介類を大量消費す る日本は、メキシコに次いで2番目であった。2012年のランキングから大きく下降したのはスウェーデンとスペイ ンで、両国とも魚介類の消費量が多く、スペインはさらに鶏肉を消費する。 

 アメリカのジャンクフード文化は、加工食品や包装食品を最も多く消費していることを表しており、果物や野 菜の消費は少ない。また、イギリスと日本は島国であるため、輸入食品に大きく依存している。 

 英語圏の国々とスウェーデンの消費者は、食品がどのように生産されているかについてあまり興味がないよう だ。地球全体としては、大半の消費者が、肉を食べることは環境への悪影響につながるという考えを受け入れる よりも、むしろ否定しているという。 

◆低い問題意識 

 イギリス、ドイツ、オーストラリア、アメリカ、そしてカナダの消費者は、環境への影響を低減するために、 自分たちの消費行動を改善しようという気持ちが薄いようだ。 

 一方、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、中国、インド5カ国を合わせた18億の消費者は、彼らの消費行動が 環境にどのような影響を及ぼしているかがわかれば、より持続可能な地球にするために、自らの消費行動を変え てもよいと考えている。