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やらかした! 仕事で大失敗したとき、事態を収拾するためのヒント

2014年9月4日(木)19:11 (ライフハッカー[日本版])
人間だれしも、間違いを犯すもの。大失敗をやらかしたことにあとで気がついて、どうしたらいいいかわからなくなってしまうこともありますよね。そんなとき、できるだけダメージを長期化させずに、事態を収拾するためのヒントをお教えします。
■伝えるべき相手にきちんと伝える
 

大失敗をやらかしたということは、それによる影響を受けることになる人がきっといるはず。その人に失敗を伝えるのが遅れるほど、修復にかかる時間も長くなります。ミスを白状すれば、たいていは誰かを怒らせることになるので、なかなか白状できないかもしれません。でも、そこはグッと歯を食いしばって、できるだけ速やかに報告しましょう。

まだ自分でなんとかできると思うならやってみても構いませんが、「もみ消し」は避けた方が無難です。問題を誰にも報告せずに、すべてを自分で修復し、体面を保てたと思ったら大間違い。ミスの影響範囲は、あなたが考えているよりもずっと大きいことだってあるのです。トヨタ渡辺捷昭社長(当時)は、Harvard Business Reviewのインタビューにおいて、問題をオープンにすることの重要性を語っています。

問題を隠していては、いずれ深刻な脅威になってしまいます。むしろ、誰からでも見える状態にする方が、私としては安心です。なぜなら、問題を公にしてしまえば、それまでその問題に気付いてなかった人でさえ、解決策を見つけようと頭をひねってくれるようになりますから。

上司にミスを報告するときは、正直であることが最善の策です。言い訳は同僚のバーベキューの誘いを断るときに取っておいて、今はとにかく、何が起こったかを明確に伝えてください。何かをするのを忘れたのであれば、自分がぼーっとしていたことを説明し、正当な理由があれば、それも付け加えます。あるタスクに誠実に挑戦したけれどうまくいかなかった場合、それほど恐れることはありません。何もなかったフリをして、問題を大きくすることだけは避けてください。

影響を受けた人すべてに謝罪することも忘れずに。あなたが個人的に犯したミスではないかもしれませんが、全責任を負い、真剣に謝罪をすることで、あなたの誠意を見せることができます。一緒に働いている人たちの目標と努力を気にかけていることを、誠意をもって伝えましょう。

■問題と一緒に解決策の案を持ち込む

あなただって、問題だけが持ち込まれて解決策が持ち込まれなければ、嬉しくはないでしょう。ですから、自分が問題を起こしてしまったのであれば、いくつかの解決策を考えておいた方が、痛手は少なくて済むはずです。ForbesのLisa Quastさんは、問題ではなく解決策を上司に持ち込むべきである理由を、以下のように説明しています。

今日の職場環境において、価値ある従業員として目立ちたいなら、上司に問題を報告するのではなく、解決策を持ち込むことが大切です。なぜなら、上司は自分で解決しなければならない問題をたくさん抱えているのです。あなたが雇われているのは、その問題を少しでも減らすため。ですから、問題を増やす側になってはいけません。解決策を生み出す従業員になれれば、上司から見ても会社から見ても、あなたの価値が高まることでしょう。

上司の時間を大切にすることでも、あなたの価値を高めることができます。解決策を持ち込めば、上司の時間を効率的に使っていることになります。上司は忙しいはずなので、あなたのミスにいちいち優先順位を付けている暇などないのです。ミスを犯したのは、上司ではなくあなたなのですから。

ミスに対する解決策をいくつか考えて、ベストだと思うものを1つ選びます。また、上司に聞かれそうな質問を想定して、回答を考えておきましょう。そのうえで、あなたが選んだベストな解決策を上司に報告します。その際、その他の選択肢も頭の中に準備しておきます。あなたがボールを落としたのは事実ですが、それを自分で拾う姿を上司に見せることが禁じられているわけではありません。厳しく叱責されるかもしれませんが、自分が犯した過ちを自分で正そうとする誠実な努力を見せることは、きっと多少の助けになるはずです。


■自分を許し、失敗から学ぶ

自分のミスに正面から向き合うのはツラいことですが、自分を許すことも大切です。大失敗を犯したのは事実ですが、間違いは誰にでもあるのです。毎日の習慣に、許すという行為を加えてみてはいかがでしょうか。そして、大失敗を犯してしまったら、くよくよ悩んでいないで、改善策を探すようにしてください。大失敗を犯した人は、あなた以外にもたくさんいます。尊敬する人の失敗を知るのもいいでしょう。そうすれば、失敗はプロセスの一環であることを実感できるはず。歴史に名を残す偉人たちだって人間です。彼らのほとんどが、少なからずの「ヘマ」をやらかしているはずですよ。

何よりも大切なのは、前に進み続けること。Inc.のSteven Tobak氏は、重要なのは失敗ではないことを意味する名言を紹介しています。

ジャズトランペットの名手、マイルス・デイヴィス氏はこう言いました。「音をひとつ間違えてしまったとき、それを良くするも悪くするも、次の音にかかっているんだ」と。このシンプルな考えの背後にある知恵には、いまだに驚かされます。仕事でもそれ以外でも、ちょっとの自信と勇気があれば、大失敗から復活するためには、その知恵だけで十分なのです。

深呼吸をして、ミスを振り返ってみてください。そこから、何を学べますか? 何かをし忘れたのであれば、タスクをリマインドするための方法が必要であることを学べたはずです。何かを正しくできなかったのであれば、もっと説明書をよく読む必要性、もしくは誰かにヘルプを頼む必要性が学べたはずです。

自分の失敗履歴からケーススタディを行い、何がどう間違っていたのかを正確に把握しましょう。そして、今後同じことを繰り返さないためにはどうしたらいいのかを考えます。CIOのPatricia Wallingtonさんはこのプロセスを「死体解剖」と呼び、死体をそのまま埋めてしまわない理由を以下のように説明しています。

同じ間違いを繰り返さないために、このようにしてください。まず、「なぜ」を5回考えます。そうすることで症状を通り越して、根底にある原因にたどり着くことができます。では、その原因を回避するにはどうしたらいいでしょう。情報を増やす? 人数を増やす? 規則を定める? 管理を強化する? 判断力を強化する? タイミング感覚を養う? など、原因を取り除くためには変化が必要です。

この死体解剖作業をスキップしたい気持ちはわかります。でもそれは、あなたの経験の中でも、もっとも大切なパートなのです。失敗から学ぶことができないようであれば、あなたのキャリアは危険にさらされるでしょう。私自身を振り返ってみても、失敗以上に教えてくれたものはないと思います。

ミスを解決できたなら、できるだけ早く、自分を許してあげましょう。でも、そこに期日はありません。けがをした足で戦場に戻ることはしないでください。回復の仕方は人それぞれですので、自分の失敗に向き合う気力がなければ、待つことも必要です。Human KineticsのSusan Halden-Brownさんは、元の軌道に戻る方法を見つけることを勧めていますが、それは自分で準備ができたときだけでいいと述べています。

ここでもうひとつすべきなのが、自分に時間を与えること。テニスの選手が2回目のサーブの前に集中する姿を想像してください。ボールを弾ませ、ラケットをくるくる回し、何度もポーズを取ってから、次のミサイルを撃ち込みます。時間を稼ぐために、ボールボーイを呼ぶこともあれば、太陽に目を細めたり、リストバンドで額をぬぐったりもします。要するに、何でもいいのです。

自分を許し、間違いの原因を突き止め、時間をかけて気を晴らしたら、もういちど馬にまたがりましょう。失敗から学ぶだけでなく、何度も繰り返すことで、失敗への対処がどんどんうまくなっていくはずです。

■上司からの信頼を取り戻す

クオーターバックは、ヘタなレシーバーにはあまりボールを投げません。上司からのボールを何度も落としてしまったら、自分がキャッチできることを、あなたは再び証明しなければなりません。難しいプレーよりも、簡単なプレーから始めてください。少しずつ、でも確実に、重要なタスクにも取り組めることを証明していくのです。小さな課題でも、うまくこなすことで、大きな意味を持ちます。

さらに、自分に与えられた仕事以外で実力を証明することもできます。仕事の神様を喜ばせるために、ある程度の犠牲を払うのです。Crucial SkillsのDavid Maxfield氏は、もう一歩先へ進むための方法を、このように説明しています。

誰もやりたがらない仕事に手を挙げる、やらなければいけないタスクにかける時間を増やす、習得の難しいスキルをうまく習得するなどの方法があります。要求されている範囲以上にやることで、評判を確立するのです。

上司に再び気に入ってもらうためには、有言実行を忘れてはいけません。でも、自分でできるとわかっていること以外は、やると言わないでください。タスクを完了したら上司に報告して、あなたがうまくやったことに気づいてもらいましょう。誰が相手でも、信頼を再構築するためには、情報を与え続けることが重要です。ですから、あなたの仕事をできるだけ透明化することを心がけてください。

自分がまだ仕事をこなせることを示すのは容易ではありません。でも、時間をかければ、あのミスが"よくあること"ではなかったことを、上司に示せるはず。多少の忍耐と献身を見せれば、「いつも問題を起こす奴」ではなく、「問題が起きたときに一生懸命やる奴」として、上司に覚えてもらうことができるでしょう。

人間だれしもミスを犯します。そこで誠意を見せるのも、揉み消しに走るのも、あなた次第。誠意を見せたければ、ダメージの修復を図り、解決策を持ち込みましょう。前に進むためには、自分を許します。そして何よりも、時間を取って失敗から学び、同じ過ちを繰り返さないようにすることが大切です。