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これを言ったら絶対に落ちる!面接官がカチンとくるNGワード

「コミュニケーション力に自信がある」
「私は参謀タイプ」と言っていないか?

 私がキャリアコンサルタントとして、そして経営者として面接で転職希望者と接するとき、もっともカチンとくるのが「コミュニケーション力に自信があります!」という言葉です。私にとっての「地雷トーク」です(笑)。でも最近、これを言う人が結構多いのです。

 面接官はコミュニケーション力が厳しく問われる仕事です。その意味で世の中の一般的な水準と比べ私はコミュニケーション力が高いとは思いますが、「あの時の表情が悪かった……」「別れ際の一言が余計だった……」というように毎回、面接の後はあれこれ反省しています。それは現状に満足せず高い水準を追い求めているからで、「自分はコミュニケーション力に自信がある」とは絶対に言いません。

 それなのに、軽々しく「コミュニケーション力に自信がある!」と言われれば当然カチンとくるわけで、この話をすると面接官は皆、共感してくれます。

 そもそもコミュニケーション力の有無は面接でのやりとりを通じて面接官が判断するものであって、本人があるとかないとかコメントするものではありません。それにもかかわらず自らコミュニケーション力があると言い切るのは、非常に違和感があります。

 コミュニケーション力は「聞く力」が出発点で、話を聞いて相手を理解し、そのうえで自分を理解してもらうことが重要です。ところが面接で「コミュニケーション力が高い」と自称するのは、単なるおしゃべりや押しが強いだけの人だったりします。こういう応募者に対し、私は「それを言ってはおしまいです」と強くご注意申し上げています。

 昔に比べ減りましたが、「私は参謀タイプ」という言葉も面接官をイラッとさせる言葉です。その意図を翻訳すると「私はリーダーになりたくない、なれない」、「自らの責任で事業を推進するのは苦手だ」ということだからです。

 参謀タイプを自称する人はご本人を冷静なタイプだと思っていても、実際は当事者意識が低いだけだったり、エネルギーレベルが低くかったり、「もっと意欲的に仕事しましょうよ!」と言いたくなるタイプが多いようです。しかし参謀というからには優秀な戦略家でなければならないうえに、大将をサポートするために自ら動く行動力が必須です。大将の横で文句を言っているだけの人は、どんな組織でも不要でしょう。

 仮に本来の意味で参謀タイプであったとしても、面接では有利に働きません。企業が積極的に採用したいのは利益に直結する影響が高い仕事、すなわち売上を伸ばすかコストを減らす仕事なので、そこから遠い参謀タイプはあまり採用しないからです。企業のなかで参謀的な役割を果たしている人を見かけることはありますが、その人は利益に直結する仕事に取り組む中で社長の信頼を得て、徐々にそのポジションを獲得していったのです。

■「昔から○○が好きだったので」面接官をイラッとさせる幼稚な言葉と職業意識

 30歳前後の若手に多いのが、志望理由として「昔から○○が好きだったので」という人です。たとえば出版社志望で未経験の人が志望理由を問われ、「昔から本が好きだったからです」と言うようなパターンです。

 しかし、出版社に入りたい人の大半は本が好きなので、それは何の材料にもなりません。サブの志望理由として挙げるのは構わないのですが、「昔から○○が好きだったので……」をメインの志望理由にしてはいけません。

 若手に多い言葉としては他に「デスクワークより人に接するのが好き」があります。営業職の面接などでこれが志望理由として挙げられるのですが、そう聞くと「次元の低いことを言っているな」と残念な気持ちになります。人と接するのが営業という仕事の目的ではありませんし、それが営業成績の決め手になるわけでもないからです。

 言葉の意図を翻訳すると「一日中、デスクで細かい作業をするのは嫌です」ということだと思いますが、だったら素直にそう言えばよいのです。

「人に感謝される仕事をしたい」も最近、面接で流行っている言葉ですが、これも言わないほうがよいコメントです。そう言う人に対し、私は「感謝されない仕事ってあるんですか?」と思わず聞き返してしまいます。新卒ならまだしも、30代に入ってもこういうことを平気で言う人がいる現実にはあきれるばかりです。

 これも翻訳すると、おそらく「感謝をより身近に感じられる仕事をしたい」という意味だと思います。しかし、そうだとしても「いつも『ありがとう』と周りにフィードバックしてもらわないとモチベーションが保てないのか」と思われてしまいます。いつも「いい子だね」と褒めてもらいたい子どもの心理と一緒で、一言でいえば幼稚なのです。

 ただし、「ありがとう」が飛び交っている会社がよい会社なのは確かで、当社もそうあろうと心掛けていますが、これは面接で「人に感謝される仕事をしたい」と言うのとは別次元の話です。

■新卒でも話せるような志望理由を大人が語る稚拙さに気づけ!

中途採用では新卒採用とは異なり、大人な志望理由が必要です。ところが社会に出て5年も6年も経つのに、社会人経験がなくても考えられるような志望理由を話す人の多さには驚かされます。

 繰り返しになりますが、要は職業意識の低い幼稚なビジネスパーソンが多いのです。「御社の事業は社会的な貢献度が高いので……」なんて学生でも話せますが、それを何年も社会経験のある大人が志望理由とする稚拙さに気付かなければいけません。

先日面接をした人事の仕事をしている33歳の方も、ある企業への志望理由として「国家プロジェクトを手がけていて、社会的な貢献度が高いから」と話していました。言っている内容には何の間違いもありませんが、これでは何のアピールにもなりません。

 もし人事のプロなら、その観点から見た志望動機を述べるべきです。

「いまの会社ではこんな採用の仕方をしていますが、御社ではこういう意図で採用と配属を行っていると思われるので、よりレベルの高い採用業務ができると考えました」

「財務諸表などを拝見すると、御社が社員一人の採用にかけている予算はこのぐらいなので、より自分が理想的と考えている採用活動ができると思いました」

中途採用者の志望理由はこのように「自分にしか言えないこと」を心がけるべきです。プロポーズした相手から「なぜ私に?」と理由を問われたとき、「あなたは私の結婚相手の年齢としてちょうどよく、ルックスが良いから」と一般的な理由を並べても、決して相手の心には響きません。その人ならではの切り口と表現で伝えてこそ、はじめて相手の心に響く言葉となるのです。

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多いのか、そういう人…。