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“部下が言い訳を始めたら、最大のチャンス”言い訳する部下は、「これ」でぐんぐん成長する!

「言い訳なんてするな!」。部下に対し、ほとんどのリーダーが、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。さて、本日のテーマは「部下の言い訳」です。聞かされる側としては、イライラするだけかもしれませんが、ちょっとしたコツで、部下を大きく成長させることもできるのです。

■「言い訳なんてするな!」。ついつい言ってしまうけど……

 部下が失敗をして、何かしらの言い訳を始めたら、たいてい上司は「言い訳するな!」と叱責します。叱責しないまでも、心の中では「言い訳なんかするなよ……」とほとんどの人が思っているでしょう。お気持ちはよくわかります。

 しかし、これは大きな間違いです。部下が言い訳をするというのは、上司にとっては最大のチャンス。部下との関係を築き、本音を引き出し、ケアする絶好の機会です。

 私の経験でも、業績が上げられない部下に「どうしてこの販売店では新商品を扱ってもらえないのだろう?」と聞いてみると、「いやぁ、あそこのオーナーは困った人で、まったく話を聞いてもらえないんですよ」という返事が返ってきたことが何度もあります。

 そこで普通の上司なら「言い訳するな! そこを何とかするのが営業マンの仕事だろ!」と言うかもしれません。しかし、これではまったくケアになりません。

■言い訳をするのは、「何か言いたいことがある」から

 部下が言い訳をするというのは「何か言いたいことがある」という意思表示にほかなりません。その内容に説得力がなかろうが、無茶苦茶な論理だろうが、「言いたいことがある」なら、聞いてやるのが上司の役目。

 なぜなら、部下をケアするのは、上司の大切な仕事だからです。

 だからこそ私は「そうか。そんなに困った人なのか。そりゃあ、オマエも大変だな」とたっぷり言い訳を聞きます。

 すると、部下は気持ちよくなって「そうなんですよ、先週なんてあいさつしたのに無視されましたよ」とか、「新商品の話を始めた途端に、『帰れ、帰れ』と追い返されました」などと、現場で起こった出来事を正直に話してくれます。これが大きなポイントなのです。

■言い訳の中にこそ、「現場の真実」がある

 言い訳であろうが何であろうが、部下が正直に話をするときというのは、上司にとっては最大のチャンスです。そこで私は「じゃあ、いったいそのオーナーっていうのは、どんな話だったら聞いてくれるのかな」とさりげなく水を向けます。

 すると部下は「自分の話はしたいみたいですけど、こっちの話は全然聞いてくれませんね」と言うので、「そうか。それじゃあ、あえて新商品の話とか、こっちの要望を話すのはやめて、オーナーがどんなことに困っているのか、何かお役に立てることはないかという感じで、相手の話をたっぷり聞いてくるだけでもいいじゃないか」などの提案をしてみるわけです。

 あくまでも一例ですが、こんなやりとりを目指して下さい。

 部下が抱えている問題、直面している壁を正確に把握したいと思うなら、とにかく「言い訳を聞くこと」が必要です。その言い訳の中に「現場の真実」があり、「問題解決のヒント」が隠れていることをリーダーは決して忘れないで下さい。

■言い訳をたっぷり聞いたほうが、部下は自分で考えるようになる

 上司は部下の言い訳を聞きながら、「そりゃ大変だな」と本気で共感し、「いったい、どうしたらいいんだろうなぁ」と一緒に考える。

 これが基本スタンスです。上司には「一緒に考えつつ、部下に考えさせている」という絶妙なスタンスが大事なのだと思います。

 とかく上司は「言い訳するな! 自分で考えろ」と言いますが、私の経験から言って、部下が言い訳を始めたら、それをたっぷり聞いたほうが部下に考えさせることができます。

 部下の言い訳にたっぷりつき合い、共感しながら、少しずつ「じゃあ、どうしたらいいか」という方向へ話を持っていき、部下本人に考えさせる。

 こうしたコミュニケーションの積み重ねが大切だと私は思っています。そして、その入り口となっているのが部下の言い訳です。

 あなたは部下の言い訳を拒絶しますか?
 それとも、言い訳をチャンスと受け止め、良好な関係を築き、部下自身が考えるきっかけを与えますか?

 ここがリーダーの腕の見せ所です。

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昔の上司が同じようなこと言ってたなぁ。
毎回聞くのは難だけど、とか言ってたな(笑)。
今何してるのかな、Kさん。