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ダメ上司ほどかかってしまう「この部下は使えない!」症候群

本日は「段取り」についてです。内容だけを気にしても仕事はうまくいきません。「どの順序で、何にとり組むべきか」「どうすれば効率的になるか」を考える力が必要です。

■A先輩とBくんの会話。悪いのはBくんだけ?

 もうずいぶん前の話ですが、“段取り力”という言葉が話題になりました。仕事ができる人は能力が高いわけではなく、段取る要領が優れている、という話です。

 確かにビジネス・プロフェッショナルは段取り能力に優れています。それは、仕事内容の良し悪しはもちろんのこと、それとは別に、作業のタイミング次第で努力が台無しになることを知っているから注力しているのです。

 たとえば、こんな話があります。どこに問題があるかを考えながら、読み進めて下さい。

A先輩 「午後からの報告会で使う参考資料は印刷できた?100ページで50部もあるから時間に間に合うか心配でさ」
Bくん 「大丈夫です。時間はかかりましたが、開始前に揃います」
A先輩 「ありがとう。あれ? この資料、背景がほとんど真っ黒で字が読めないじゃないか!?」
Bくん 「あっ、白黒モードで印刷したから文字が黒色だ…」
A先輩 「ああ、印刷し直す時間はないし、これじゃ使えないよ!(まったく、何て使えないヤツなんだ!)」
 A先輩の力作資料は、Bくんが印刷設定を間違えて出力したために、肝心の報告会に提出することができませんでした。A先輩にしてみれば、努力が日の目を見ることなくお蔵入りになってしまったのですから、やり切れません。

■「俺は悪くない!」と思う前に、「やるべきことがなかったか」を考える

 このミスについて、Bくんに問題があることは確かです。A先輩のように「こいつは使えない!」と思う気持ちもよくわかります。しかし、これは一方的にBくんだけが悪いのでしょうか? 

 印刷状況を確認するタイミングがもっと早ければ、間違いに気づいて印刷し直すこともできたでしょう。A先輩は自分の仕事に対し、状況確認のタイミングを誤ったのです。

 また、「100ページの資料を50部用意する」というボリュームを考えると、試し刷りや目視確認を、A先輩が予定に組んでおくべきだったのかもしれません。

 内容だけを気にしても仕事はうまくいきません。「どの順序で、何にとり組むべきか」「どうすれば効率的になるか」を考える力が必要です。

部下や後輩に仕事を頼み、それがうまくいかなかった場合、たとえ直接的な原因が自分になくても、「自分の段取りに問題はなかったか」「ミスを防ぐために工夫すべき点はなかったか」を考えるようにしましょう。A先輩のように「こいつは使えない(俺は悪くない)」と思うようでは、また同じことを繰り返すだけです。

その逆に、トラブルを未然に防ぐような段取りを考えることができれば、部下はもちろん、上司からも必ず評価されます。

■「ゴール」を正しく設定して、最適なアプローチをとる

仕事を効率的に段取るには、「俯瞰的に見て、個々の仕事のとり組み順序を考える」必要があります。どんな仕事であっても、ゴールを明確にして、そこへ向けた最適なアプローチを最初に考えましょう。先ほどのA先輩とBくんの場合、「Bくんが印刷をする」をゴールにするのではなく、「資料が正しく印刷できているか確認する」をゴールにして、予定を組むべきだったのです。

 そして、仕事を段取るにあたり、意識しなければならないことが1つあります。それは「期限を守る」ことです。

 再びA先輩とBくんの話で考えてみましょう。この話では、そもそも「A先輩が資料を作成する(1)」ことが終わっていなければ、「Bくんが資料を印刷する(2)」ことができません。ゆえに(2)の所要時間を踏まえた期限が(1)に設定され、その遵守を前提としています。もし(1)が期限に間に合わなければ、(2)の準備もムダに終わります。

 料理でたとえるならば、麺がゆで上がったのに、どんぶりの準備が間に合わなかった状況と似ています。麺をゆで上げるという行為は、直後にどんぶりへ移しかえることを前提としていますが、どんぶりの準備ができていなければ、麺はお湯をどんどん吸いとってのびてしまいます。

 やったことを徒労で終わらせないためには、期限を守るよう“段取る”ことが必須です。

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いろいろ気をつける点、多数…。
段取り力も人間性にも…。

やっぱり我が身を振り返る力をもたないといけない事がよくわかった。