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いちいち腹を立てずに冷静でいるための3つの心理的戦略

2013年5月8日(水)(ライフハッカー[日本版])

まだ水曜日だというのに、歯車が狂いはじめています。朝、コーヒーメーカーは不調で、コーヒーが溢れ出したと思ったら、通勤ルートは大渋滞。デスクに着いたら着いたで、自分を咎める上司からのメモが目に留まる ──。

こんな時はカッとなって、脊髄反射的に反応してしまいがち。ですが、後で自己嫌悪に陥ることうけあいです。「イライラの脊髄反射」の仕組みを突き止め、冷静さを保つためのコツを紹介しましょう。

まず確認したいのは、常に怒りを抑え込むのは得策とは言えないし、脊髄反射的な反応はどんな場合でも絶対にダメというわけでもないことです。とはいえ、頭に血が上っているときはたいがい、みっともない真似をしてしまうもの。理性のフィルターを通さずに反応してしまうのは危険です。

以上を踏まえて、冷静さを保つために利用できそうな心理学的戦略と方法をご紹介します。


■カッとなっても、すぐに冷静さを取り戻すには
そもそもストレスがあると怒りが増幅しがちなのには、誰しも心当たりがあるのでは。けれども、特にストレスを感じていない人でも、場合によっては何かにいきり立ってしまうことがあると思います。そんな時、気持ちを鎮めるには、以下の心理上のトリックが役に立つかもしれません。

1.「自分は壁にとまったハエ」だと想像する

「事態のまっただ中」で怒りをコントロールするには、視点の置き方が重要になる場合があります。怒りを抑える簡単なトリックは、「自分は壁にとまったハエ」だと想像してみること。要するに、自分の立場を離れて、より広い視野から事態を見るわけです。

この「壁にとまったハエ」作戦は、最近『Journal of Experimental Social Psychology(実験社会心理学ジャーナル)』に掲載された論文の中で、多くの場合に有効であると確認されています。

人は事態のまっただ中でも自分から距離を置くことができるものです。そして、その試みは攻撃的思考や怒りの感情、攻撃的行動の削減につながるのです。

複雑に考える必要も、物理的に距離を置く必要もありません。自分を引いて見て、より広い範囲で考える ── つまり、感情的に距離を置くだけです。

これは、事態のまっただ中にいても簡単に利用できるのがポイントです。ほかの対処法をとる時間がない場合にも、よい方法です。

2.相手に「なぜ?」と聞く(「3つの質問」だとさらに効果アップ)

気が立ってしまって、「壁にとまったハエ」になった自分なんか想像できないし、心理的な距離は置けない、という時は、相手にいちいち質問することで事態をスローダウンさせるのも一法です。このテクニックには相手が必要なので、怒りの原因が誰か特定の人である場合にしか使えませんが、手軽な方法なので覚えておくと便利です。いざ冷静になる必要ができた時、役に立つかもしれません。

この方法の鍵は、怒るのではなく「興味をもって観察する」ことです。方法はシンプルで、とにかく「なぜ?」と聞くだけ。さらなる高等テクを、ブロガーのDustin Curtis氏が教えてくれています。「怒りの対象について、質問を3つする(英文)」というルールを自分に課すと良いそうです。

(カッとなった時は)相手が何を考えているのか尋ねる質問を、少なくとも3つするようにしました。質問を考えるときには、思考を使います。そうすると、ネガティブな感情が変わることがしばしばあるのです。時には、その質問をすることで、相手の考えが変わることもあります。悪い方に転ぶことはありません。

相手に突発的な怒りを感じたら、3つの質問をすることで、会話のペースを遅くしてクールダウンできます。怒りの原因が人ではなくて物だから相手を変えるのはムリ、という場合(渋滞やフライトの遅れなど)でも、同じように3つの質問を「自問する」という手があります。個人的な経験では、たいていの場合、質問を3つ考えるだけで、脊髄反射的な対応の「カドを取る」には十分です。

3.当たり散らさずに、ひと呼吸置いて待つ

「散歩で気分転換」「手を止めて深呼吸」「時間を取って頭を冷やす」などはどれも昔からあるアドバイスで、うまく活用できればたしかに効果的です。以前にも取り上げたとおり、怒りの発散は「火に油を注ぐ」だけで、「ガス抜き」の効果はありません。むしろ、物理的にちょっと距離を置くのが最善の方法という場合もあります。スローダウンできる状況ならそうしましょう。完全にその場から離れられるなら、なお良いです。距離と時間を取れれば、より良い対応を練るのに役立ちますし、怒りを和らげられるかもしれません。

怒りをマネジメントする方法は、いろいろな場所でたくさん紹介されています。だから究極的には、「自分にとって一番効果のある方法」を見つけられるかどうかにかかっています。うまくいくまで、しばらく試行錯誤が必要ですね。でももっと良い方法は、カッとなる根本的な原因を突き止めて、あらかじめ心構えしておくことです。

■イライラの仕組みを理解し、カッとなる前に制御する
上に挙げた方法はいずれも、気持ちを鎮めて理性的な選択をするのに有効です。けれども、もっと良いのは、そもそも突発的な怒りが起きる前に食い止めること。そのためにとれる方法のひとつは、1日の行動を全部振り返って評価することかもしれません。突発的な怒りが食事や睡眠不足などに起因している場合には、理由を突き止めやすくなります。原因が分かれば、解決策も見つかるというわけです。

とはいえ、怒りの脊髄反射が生活習慣とは無関係に起こってしまう場合もあります。そうした場合、私はその事実を理由とともに記録しています。いつもやっている方法を紹介しますね。

合理的な理由もなく怒りを覚え、脊髄反射的な対応をしたときは、その時刻と理由を記録します
次に、怒りの根本的な原因(と思われるもの)、誰と一緒にいたか、どんな場面か(買い物、運転中、自宅で読書中)を書き出します。例えば新聞記事の見出しとか、運転中に割り込まれたといった、些細な要因でも記録します
これらのログは、「場面」ごとに整理してファイリングします
「場面」ごとに整理したら、問題の原因に共通点がないかを探します

こうして残した記録を読み返すと、私の場合、買い物中にカッとなりやすいことが分かりました。特に、夜遅くに買い物に行く時が要注意だというのです。ならば解決策は、夜遅くには買い物に行かないこと。やむを得ない時は、心の準備をして、最悪の事態に備えておきます。それから、友だちのうちのある数人にはイラッとさせられやすいこと、読んだら怒りが沸きやすいウェブサイトがあることにも気づきました。

カッとなりやすい「場面」に向かう前には、起こりうる状況を想定し、それに備えて計画を立てます。ラッシュアワーになる前に出かける、ショッピングモールに行く前は時間をかけて散歩するなどです。そして「自分はこれから、理由もなく怒りを感じやすい場面に向かっていくのだ」という自覚を持って、そこへ飛び込んでいくのです。

こうしたちょっとした心の準備は、突発的な怒りをコントロールしやすくするのに大いに役立ちます。怒りの引き金を引いているのがいつも同じ物事だと分かったら、冷静さを失わなずに対応するのも、ずっと簡単になるのです。


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全部やると面倒なので(できた時点すでに落ち着いているわな)、やっぱ呼吸法が一番。
ステマ丹田意識した呼吸で何とかやり過ごそう。