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南ア高山帯、銃でシカ駆除へ 環境省が仙丈ケ岳で全国初  

05月06日(月)

 高山植物の食害や踏み荒らしが深刻な南アルプスニホンジカ対策で、環境省は5日までに、標高がおおむね2500メートル以上の高山帯に現れたシカの銃による駆除を仙丈ケ岳(3033メートル)で試行することを決めた。同省によると、高山帯での銃によるシカ駆除は全国で初めて。県内のシカによる農林業被害は年間5億3千万円余(2011年度)に上り、近年は高山帯での被害も問題化していることに対応する。シカ駆除の取り組みは新たな段階に入る。

 シカは比較的標高の低い山林などに生息しているが、個体数の増加とともに、さらに標高の高い地域、低い地域へと生息域を広げてきた。南アでは、2002年ごろから稜線(りょうせん)付近でのシカの目撃が増加。中部森林管理局(長野市)の南アでの07、08年の調査によると、全域でお花畑が消滅、衰退している。

 同省は当初、冬場に高山帯から下りたシカが群れて越冬していればその場で一斉駆除しようと考えていたが、同省や信州大農学部上伊那郡南箕輪村)などが移動経路を調べた結果、シカごとに動き方が違うことが判明。高山帯に現れたシカをその場で仕留める方が効率的と判断した。わなはいつ掛かるか分からず、シカ以外の動物が掛かる可能性もあるため、銃による駆除を12年度から検討していた。

 銃による駆除の実施場所は、仙丈ケ岳北岳南部の中白根山(3055メートル)、烏帽子岳(2726メートル)の3カ所を候補地に検討。昨年7〜8月の現地調査の結果、仙丈ケ岳山梨県側の小仙丈沢カール内でシカの目撃例が多く、シカを一定方向に追い立てやすい地形でもあることなどから判断した。絶滅危惧種ライチョウの繁殖期や登山のトップシーズンを避け、8月下旬から9月ごろに取り組む。

 カール上部で待ち構えて撃つ方法や、餌でおびき寄せたりカール内に柵を設けてシカが逃げる経路を誘導したりする方法などを検討している。駆除したシカをどう搬出し、処分するかなど課題もある。試行結果を踏まえ、来年度以降の対応を検討する。

 仙丈ケ岳一帯ではこれまで、馬ノ背のお花畑の回復や南ア林道沿いでのシカの駆除に、長野県側の市町村や信大農学部、上伊那猟友会などが積極的に関わっており、同省は今回の駆除にも関係者に協力を求めていく方針だ。

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イタチごっこでは。費用もどれだけかかるのか。
放ってはおけないだろうけど…。