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農業、気候変動6つの影響

National Geographic News January 18, 2013

 アメリカの連邦政府は数年ごとに多数の専門家の協力を仰ぎ、今後想定される気候変動の影響度を分析している。NASAと米国海洋大気庁(NOAA)が1月15日に発表した最新のデータによると、地球温暖化の進行が続いている状況が明らかになった。特に自国にその傾向が強く現れ、2012年の平均気温が観測史上最高を記録したという。

 アメリカ商務省傘下の「気候評価および開発諮問委員会(NCADAC:National Climate Assessment and Development Advisory Committee)」は、農業からインフラ、エネルギー消費まで、さまざまな分野で温暖化の影響を分析している。

 まず農業分野では、収穫量の増加・減少の両面で影響が現れる。

 大気中の炭素が増加すると作物の栽培期間が増えるという見方もあるが、実際は異なる。肥沃な土壌のカリフォルニア州セントラルバレーでは、今後数十年で、トウモロコシから小麦、米、綿にいたるまで、さまざまな作物の収穫量が30%減少すると推測されている。

 気候変動のためにハチの数が減り、受粉活動が停滞すると、収穫量にダメージを与える。また、大多数の作物が春に芽吹くためには霜期間が必要だが、温暖化によってこの期間が短くなってしまうとも考えられている。

 さらに気候変動は、貴重な水やエネルギーを大量消費する食品加工、保管、輸送の分野にも影響を及ぼす。新興国の経済発展に伴い需要圧力が増加しているため、やがては食料価格の高騰につながるだろう。