さんぽ

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気づきの指導とは

2013.2.4 from Editor
 サッカーの練習で、敵の選手が相手のマークを外してゴールへと向かった。味方が抜かれたら当然、別の選手が守備に回り、敵を止めなければならない。ところが、ゴールに戻らない選手がいた。「なぜ、戻らないのか」。監督の怒号に、これまでサッカーをしていた選手とは思えない言い訳が聞こえた。

 「僕がマークすべき選手は別の選手でしたから」

 平然と言ってのけたことに言葉を失ったと話すのは、関西大学サッカー部監督、島岡健太さん(39)。サガン鳥栖で活躍した元プロサッカー選手で、8年間のコーチを経て3年前に監督に就任した。

 日焼けしたイケメンで、選手に交じっていても監督には見えない。全員サッカーを目指し、ユニークな選手の育成方法を実践し、インカレで優勝するなど関西の大学でトップレベルの常勝軍団にした。

 島岡さんは、今の学生について、人に接することが苦手、人間関係を築くのが下手だが、携帯電話やスマホを通じて、目の前に友人がいるように会話が成立するのには驚くという。

 だが、チームでの自分の役割が何なのか。それをプレーで表現していくには、グラウンドの練習だけでは足らず、社会生活を経験する必要があるという。清掃活動や幼稚園でスポーツする。高校生とも対話し、知らない人と触れ合う。

 サバイバル合宿と銘打って、人里離れたところで、農林業の手伝いをする。携帯も財布も取り上げる。畑を耕し、草を刈っていく段取りはあえて設定しない。休んでばかりいる学生も、しだいにできることから始めるようになる。田んぼがきれいになっていくと、すがすがしい顔に変わっていく。そのとき、学生は自分の役割に自然と気づいていくという。

 島岡さんは「指導・育成方法は一人一人違う。私自身、4年かけて学生を知ろうとするわけです。しかし、最終的には学生一人一人が学び、どんな役割を果たせるのか、考えていく力を身につけていかなければいけません。私自身、まだまだ学生といっしょに学んでいる途中ですが」と照れ笑いをする。

 “体罰指導”を続けてきた大阪市立桜宮高校の男子バスケットボール部の男性顧問が、自分流に固執するあまり、どこかに置き忘れた心境かもしれない。

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…いや、体罰うんぬんよりももっと違った、且つ深刻な問題ではー…?
あくまでごく一部のこととは思うけど…。