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ブラックホールから最大規模の物質放出

ナショナルジオグラフィック式日本語サイト 11月29日(木)15時3分配信
115億光年以上の彼方にある超大質量ブラックホールで、記録的なガスと塵の放出現象が観測されたという。質量が太陽の10億〜30億倍というこの巨大ブラックホールは、「SDSS J1106+1939」と呼ばれるクエーサーの中心部に存在する。クエーサーとは、非常に明るく高エネルギーな銀河の一種だ。

「これまでで最も強力なクエーサーのアウトフロー(放出現象)を観測した。そのパワーは、過去に観測された現象の少なくとも5倍はある」と、バージニア工科大学天文学者で今回の研究の共著者であるネイハム・アラブ(Nahum Arav)氏は述べる。

アラブ氏の研究チームは、チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の高性能望遠鏡を使って、このアウトフローの速度その他の特性を計測することに成功した。

年間に太陽の400倍もの重さの物質を放出するこの現象は、クエーサーから約1000光年の場所で発生しており、その速度は時速約2900万キロに達する。「このような観測結果を期待してはいたが、それでもこのアウトフローのパワーには驚かされた」とアラブ氏は言う。

このクエーサーの中心にあるブラックホールは、実に巨大なエネルギー源だ。質量は天の川銀河にあるブラックホールの少なくとも1000倍はあり、天の川銀河全体の約100倍の出力でエネルギーを生成しているとみられる。

◆銀河の進化の手がかり

超大質量ブラックホールは、太陽系を丸飲みできるほど大きく、恒星を引き裂いて吸い込んでしまうことで知られるが、その一方で、遠方のクエーサーのエネルギー源となり、高速で物質を放出してもいる。

アラブ氏によると、アウトフローは銀河の進化に重要な役割を果たしていると考えられているが、果たしてそれほど強力な現象なのかということが研究者の間で長年の疑問になっているという。

今回観測された強力なアウトフローによって、銀河の質量は中心にあるブラックホールの質量とどのように関連しているのか、宇宙にはなぜ巨大銀河が比較的少ないのかといった、宇宙の主要な謎が解けるかもしれない。

「銀河と銀河団の形成をめぐる複数の重要な問題を、クエーサーの機械的エネルギー出力によって説明する理論的概念がいくつか存在するが、今回の発見はそれらを裏付ける決定的証拠だと考えている」とアラブ氏は述べている。

今回の研究に参加していない天文学者のカーク・コリスタ(Kirk Korista)氏は、そのような主張をするのはやや時期尚早だと考えているが、それでも今回の研究成果は、標準的なクエーサーのアウトフローの最も強力かつ最も解明されていない要素に、新たな光を投げかけるものになると期待される。

「このクエーサーの優れた分光データは、おそらく標準的と思われるクエーサーアウトフローのエネルギー特性の定量化に大きな進展をもたらした」とウェスタンミシガン大学の天文学教授であるコリスタ氏は述べる。「銀河の進化の全貌を解き明かし、その中でクエーサーが果たしている役割を突き止める上で、これは間違いなく重要な一歩だ」。

今回の研究成果は、近く「Astrophysical Journal」誌に発表される予定だ。


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何か出そう、なんて書いたらこんな記事が…。

面白いのはブラックホールが吸い込んだものをエネルギーとしてクエーサーが放出している?
宇宙もエネルギー保存の法則が成り立っているのかな?

まぁ、「天の川銀河全体の約100倍の出力でエネルギー」って、想像外ですけど。
もう書き放題やね(笑)。

宇宙、すげぇ!!