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なぜ、あなたは「その気」になれないのか?失敗してもすぐに「その気」になれる簡単な方法

成功者は皆「その気」になり、それを持続させている!ふつうのビジネスパーソンが「その気」になるにはどうしたらよいのでしょうか。
1970年代から大脳生理学を利用した科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、現在ではビジネス、スポーツ、教育など多くの分野に門下生を持つ西田文郎氏。今回は新刊の「その気の法則―ツキを引き寄せる最強の方法」より内容を一部編集、抜粋し、どうすれば、相手や自分を「その気」にさせて成功なって成功できるのか、その秘訣をご紹介します。

■その気になれないのは成功体験が少なかった!?

前回、人は「思考よりも感情が強い」というお話をしました。つまり感情脳をコントロールすれば、常に自分が「その気」になれるということです。

また思考がマイナスでも、感情がプラスになれば引きずられて思考もプラスになります。無理にプラス思考にしようとしなくても、いかに感情をプラスにコントロールするか。これができれば、すぐに「その気」になれるのです。

しかし実際に「その気」をコントロールするのは難しいものです。せっかく目標を立てたのに「その気」が続かずに三日坊主になってしまった、以前は大きな夢があったのに、毎日の目の前のことに追われて、自然とその夢が小さく消えかかっていた…きっと思い当たる人もいるのではないでしょうか。

はっきり言いましょう。

あなたが「その気」になれないのは成功体験が少ないからです。

そして「自分はツイていない」、「どうせ自分には無理だ」といった失敗体験に基づいたネガティブな思考に支配されているからです。

たとえば残業続きで頑張っているのに、会社での数字や成績がいまいちだと、ついつい愚痴のひとつも言いたくなります。

「どうして自分は、ツイていないのだろう」

「あの人の下で働くのはホントにきついよ」

「アイツはいいよな。もともと有利な条件だったし…」

言い訳、嫉妬、責任転嫁、イヤイヤ行動するなど、それでは「その気」は生まれてきません。

自分でツイていない、と言えば言うほど、ツキ逃げていきます。自分でマイナスの言葉を言うことは、脳に「自分はツイていない」と思い込ませ、もっとツイてない脳へ強化していることになるわけだからです。

■優秀すぎる脳は「失敗」を恐れてしまい「その気」になりづらい

脳はとても優秀で、過去の体験データから「こんなこと無理だ」とか「できるわけない」といった結論も瞬時に出してしまいます。つまり、やり遂げた、という体験が少ないと「やっぱり無理かも…」と「その気」になりづらいのです。

ですから、過去に成功体験が多くある人ほど自信が持てますし、失敗体験が多いとどうしても弱気になります。

これはモテる男性とモテない男性の違いに当てはめるとわかりやすいかもしれません。女性と上手く付き合うことができると、自信がつきます。この繰り返しでモテる人はどんどんモテていき、すぐに振られてしまう人は、何度もそれを繰り返したり、最初から「ダメだ」とあきらめてしまうようになってしまうのです。

■脳の「条件付け」を変更してツイてる「肯定的」な脳になる!

しかし、ご安心ください。

こういう場合は脳の「錯覚」を利用して自分はできる、ツイている、と、脳の条件付けを変更して「肯定的な脳」を作るのです。それは意外なほど簡単にできます。

たとえば、スポーツ選手でいつも対戦すると負けてしまう相手Aがいるとします。ふつうの思考であれば、対戦相手が「A」と聞いただけで、また負けるかも、とか、今回も無理だろう、と思ってしまいます。

しかし、負けず嫌いな選手、つまり「その気」の思考を持っている選手は、自然に「今度こそは絶対に勝つ!」と思い、自分の勝つシーンをイメージしたり、絶好調のときの自分のシーンを思い出したりして、「今度こそは勝てる!」「みんなに勝てるところを見せたい」などと試合を楽しみに、気持ちもワクワクできるのです。

すると、脳は、対戦相手が次も「A」だと聞いても苦手だとは思わずに「やった、雪辱のチャンスだ」と、思うのです。

私の長年の指導した経験と実績から言わせてもらえば、肯定的な脳を作るためには、プラスのデータを入力すれば脳は錯覚します。脳は、本当にあったことと、イメージなのかを区別することができないのです。

それは梅干しを思い浮かべればわかりますね。実際に梅干しを食べていないのに、食べたときのように唾液が出てきますが、これは脳が酸っぱい梅干を具体的にイメージしたからです。

■ウソでもいいので、口に出してポジティブなことを言ってみる

そのイメージと同じで、たとえば失敗したときにはウソでもいいので、

「自分はツイてる」

「この失敗があって本当に助かった、次回に活かせる」

「今度はもっと上手くできる」

など、「口に出して」言ってみます。

内心、信じられなくてもいいのです。口から出た言葉が耳を通して脳に入力され、それを繰り返し行うことで脳はだまされ、失敗があったとしても「もっと上手くできるには今度はどうしたらいいのか」など勝手に考え始めるのです。ウソは1回つくとウソですが、100回以上もそれを繰り返すと「本当」に近づきます。

そして何度も繰り返しプラスのイメージを入力することで、感情脳=扁桃核の判断を肯定的に切り替えられるのです。「その気」が続かなくなりそうになっても「私はできる」「これが達成できたら」とできるだけ具体的なプラスの言葉を口にして、成功イメージをします。

具体例をあげましょう。私共が指導に入った、北京オリンピックの日本女子ソフトボールの選手は、いつも強豪のアメリカに負けてばかりいました。アメリカはそれまで世界選手権6連覇を継続中。通算116試合を戦って106勝10敗でした。

オリンピックでも3大会連続金メダルで「世界一」の座をゆずったことがありませんでした。オリンピック前の評判でも「日本女子ソフトボールは良くて銀メダル」といった評価がほとんどだったと記憶していましたし、「こんな強敵には勝てない」、そんなイメージがまったくなかったといったらウソになります。

しかし、プラスのイメージ、プラスの思考、そしてプラスの感情によって、扁桃核、つまり感情脳を変えた彼女たちは「絶対に勝てる!」と本気で「その気」になり、勝利をつかんだのです。

それには、プラスのイメージ(これはかなり具体的なイメージをさせます)、そしてプラスの思考、さらにプラスの感情、ボディランゲージをそろえてメンタルトレーニングをするのですが、もっと詳しい内容が知りたいのであれば、ぜひ本書「その気の法則」をご覧下さい。

では次回は、部下を「その気」にさせる叱り方です。