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父親の出番「自信を失ったわが子」の心を燃やす!−【1】ラジオDJ 山本シュウ

(プレジデントオンライン)

■“昭和のチップ”を体から抜かなきゃ
父親の出番? 僕からしたらチョッと昭和なタイトルやね〜(笑)。子どもが自信を失ったのは、大人のせいやん? 自分の仕事を誇りを持って伝えられなくなってる親が多いやん? 「勉強せな、俺みたいになるぞ」とかな。

ICチップってあるけど、あれと一緒で、僕も含めて昭和の時代に生まれ育った親たちには“昭和のチップ”が幾つも埋め込まれてる。部下とか子どもとの間の揉め事の多くは、このチップが原因。普段、子どもとの会話が「今日、学校どうやった?」「普通〜」だけで終わってたら、以前に気付かないところでこのチップが作動していた可能性が大。子どもは「話してもしゃーない」と思ってる。このチップを体から抜かないかん。

まず、「他人の話を最後まで聞けないチップ」。子どもの話を必ず遮る。「もう、おまえの言うことはわかった」「おまえの言いたいのはこういうことや」とか。僕がやってる「全国こども電話相談室・リアル!」(TBS系ラジオ)が45年も続いてるのは、昔から親が子どもの話を聞かないからなんよ。

もう一つが「絶対オレが正しい」チップ。例えば、両親の揉め事は、簡単に言うと「おまえの黄色いTシャツはおかしい」「何言うてんの! あんたの破れたGパンのほうがおかしいわ」「ナニーッ!?間違ったTシャツ着てる奴に言われたないわ」……これが延々続くねん。互いに「私は正しい」言うてるだけで、何の議論もしてないことに気付いてない。

それに輪をかけたのが、「すぐ感情的になるチップ」。“昭和のスイッチ”って言う子もいるくらいで、スイッチONになると、「ええ加減にせえ!」「黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって」とキレる。子どもはいつ自分がええ加減だったのかも調子に乗ったのかもわからんのに。

物事を0か100かで決める「極端なチップ」もある。子どもが家でゴロゴロしてたら「そんなことしとったら、公園で寝てるおっさんみたいになるぞ」と言いよる。そんな直結することじゃないし、親が他人を見下したり分けたりする差別のほうが問題やね。子どもが3つ言ったうち2つがいいことでも、一つ間違っただけで全否定してしまう。

■叩き込むんじゃない、「気付かせる」んや
タチが悪いのが「すぐ諦めるチップ」。昭和のチップを一回抜くのに失敗しただけで「難しいわ!」とすぐ諦めてしまう。

ただ、親には被害者の一面もあるよね。僕は「上官教育」って呼んでるけど、今の親の世代は「上が絶対」っていう教育で洗脳されてきた。昭和の親は「そうやって根性・忍耐・努力を学んだ」って言うけど、そういう方法でしか学ばれへんのかな? っちゅう話なんよね。怒鳴らなくても子どもが自立できる教育の仕方があるのに、親がそれを知らんのよね。

要は、叩き込むんじゃなくて「気付かせる」ことや。僕は「怒るは感情、叱るは注意。何より大切“気付かせる”」って標語もつくったんよ。どんな人間にもいいところはある。自信を失ってる子どもは、自分にはいいところがないって勘違いしてんよね。じーっと辛抱強く観察して、いいところを見つけ出して、指し示してあげる。押し付けるんじゃなくて、子ども自身が「オレ、いけてるな」って思えるよう、気付くように導くんよ。「自信を持て」なんて100ぺん言うても、“北風と太陽”の北風と同じやねん。

都内の小学校のPTA会長だった頃、運動会の徒競走で4位に入った子を呼び止めたことがある。「○○くん! よかったなあ」「えーっ、4位やで」「去年5位やろ。でも今年は走り方変わった。太腿上がっとった」「マジ?」「今度はな、太腿下ろしたら地面を思い切り蹴っていけ。そしたら来年3位や」。すると、笑顔で地面を思いきり蹴って去っていった。

こういうふうに、チャンスをどうつかんで、どう接すればいいかを考えたら見えてくるんよね。話をするチャンスではなくて、子どもの話を聞くチャンスのこと。何か教えてやろうとするんじゃないんよ。「お父さんはこう思う。おまえどう思う?」が会話の1セット。「○○や。わかったか」では“昭和”。

人の心には鍋があるって例えると、この方法はわかりやすいかな? 生まれた頃は愛の火を受けて水が沸騰してる。ところが、火が弱まったり消えたりすると鍋は冷め、ときに憎悪の氷がぶち込まれたり凍ったりする。でも、一回冷めてもいい。ひたすら熱し続けるんです。見かけがなかなか変わらなくても、何かきっかけをつくりながら辛抱強く観察し、声をかけ続ける。そして、「おまえを愛してる」って照れずに伝え続けたらええ。ある日沸点にきたら、突然ポロッと話し始めますよ。僕はそう信じてます。

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う〜ん、身につまされる点がぽつぽつ…。

またいじめが大問題になって今日、子供へのあり方もいろいろ気になる。

ただ、照れずには伝えてるな、これだけは。

「子供達みんな、超愛してる〜!!」